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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十八話 これが両雄の初対決になるでしょうか。(その1)
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アンジェが念を押すように問いかけた。
「別に切り捨てるとは言っていないわ。もっとも、あの子にこだわることがイーリス作戦を揺るがすことになるというのなら、私は躊躇いなくきり捨てるだけよ。」
さらりとシャロンは言う。まるで不要となった在庫を放り捨てるように。それを聞きながらアンジェは思う。シャロンはいつもそうなのだと。自分にとって害をなすものは、たとえそれが消極的なものであったとしても、躊躇なくきり捨てる。このスタンスは変わることはない。
今までも、そしてこれからも。
* * * * *
アーレ・ハイネセンの前面に展開させられてしまった第十六艦隊も、いつまでもぐずぐずしてはいなかった。
「前面も敵、右側面も敵、左側面には友軍がいる。そして天頂方向は異様な重力場がすぐ上にあって艦隊を展開することはできない・・・・。」
ティファニーは決断した。というよりも考えられる一か所を目指すほかなくなったのである。徹底して訓練された迅速な艦隊運動によって、天底方向に速やかに動き出した。それを待っていたかのように天底方向から上昇し、彼女の前面に立ちはだかったのは、黒一色に塗装された艦隊だった。
「ビッテンフェルト・・・!!」
その名前をティファニーは恐怖と共につぶやく。ビッテンフェルト艦隊の前に立ちはだかって助かった人間はヤン艦隊くらいのものだ。そのヤン艦隊にしても回廊の戦いでフィッシャー提督を戦死させられている。
だが、とティファニーは思う。相手がビッテンフェルトだろうがラインハルトだろうが、ここを耐え忍ばなくては助からないのだ。
「主砲、斉射、一点集中!!」
ティファニーが指揮棒を振りぬく。規則正しいビームの光が一目散に敵陣に突き刺さった。そこかしこで艦の中和磁場が威力を発揮する光景が光点となってティファニーの視界に移る。それに耐えきれなかった不運な艦が爆散するのが見えたが、その数の少なさに打ちのめされそうになった。味方の攻撃のなんと頼りない事だろう。その責任こそ他ならぬ司令官である自分自身に降りかかってくるのだが、今の彼女にはそこまで思う余裕などなかった。
その直後である。ビッテンフェルト艦隊より数倍、いや数十倍にまさろうかという勢いのある驟雨が降り注いできたのは。
衝撃が旗艦にまで達したのは敵の主砲の威力がすさまじかったからではない。敵の艦隊の勢いの次元が違っていたのだ。ビッテンフェルト艦隊はティファニーの前衛を蹴散らし、急速にその鋭鋒を本体に向けつつあった。
「私だって・・・・!!やられっぱなしで済むものですか!!」
指揮棒が手のひらにたたきつけられた時、ティファニーの指示は既に飛んでいた。
「A,B,両集団、転進、包囲!!」
ティファニーが指揮棒を振る。A,B次鋒として控えていた両集団が転進してビッテンフェルト艦隊の
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