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決して折れない絆の悪魔
竜の逆鱗
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という表情をした。そして背後を取った鈴はそのまま百春の背中へとライダーキック並みの蹴りを放った。

「がああああ!!!」

真面にそれを受けた百春は地面へと落下し自らの"瞬間加速"で地面を削るように激突した。爆発的な加速で生まれたスピードによる激突と"零落白夜"の発動でSEは42にまで減少していた、全てが裏目に出てしまった。鈴は嘲笑う様に言葉を口にした。

「"瞬間加速"を使うのは驚いたけどそれだけよ、それに奇襲したいなら私をもっと煽って冷静さを欠かせないと意味ないわよ。じゃないと特殊無反動旋回(アブソリュート・ターン)で簡単に避けられるわ」

鈴が口にした特殊無反動旋回(アブソリュート・ターン)は急加速を行っている場合に使用する高等技術、一定方向に加速している場合にその加速を一瞬にして別方向へと転換して旋回し尚且つ発生する反動を0にするという高等技術の中でも高い難易度と危険性を持っているテクニック。成功さえすれば即座の方向転換や回避が可能だが失敗すればISに大きなダメージが残り操縦者も危険に陥る可能性がある、しかも加速中のスピードが高ければ高い程難易度は増していく危険な技。

「ぐ、ぐがぁ……」
「これで終いよ」

十二分に距離を取った状態で肩のアーマーがスライドする、空気を弾丸として発射する"衝撃砲"。空気の圧力を掛けて砲身を生み出し、余剰となった空気を弾丸として打ち出す武装。この距離なら十分に射程内だし仮に再び"瞬間加速"を仕掛けてきても十二分に対処出来る。最後の一撃を放とうとしたその時

ズドォォォォォォオオオン!!!!

突然大きな爆音と衝撃がアリーナ全体を襲った、衝撃砲ではない。最大出力で放ってもこれだけの破壊力なんて出せない、背後を見るとアリーナの中央にもくもくと土煙が上がりその中に何かが立っていた。アリーナのシールドを突き破って何かが侵入してきたとしか考えられない。ハイパーセンサーがアラートを鳴らしている、そんな事言われなくても解っている。

「百春試合は中止!!さっさと起きなさい!!」
「何を、言って……!!」

漸く立ち上がった百春は状況が理解できなかった、だが直ぐに理解した。ゆっくりと土煙の中からこちらへと歩いてきていた。そしてそれを見た瞬間、一夏やミカの悪魔たちを連想した。何故なら侵入者が全身を装甲で覆っているのだから。

全身を艶やかな黒の装甲で覆っているそれは通常のISより二回り大きい、バルバトスとアスタロトでもISより少し大きいというぐらいなのにそれを上回るサイズだ。その大型の為か一部のフレームは?き出しになっている、酷く重厚で圧倒的な雰囲気を感じるのにその巨大さからかスリムのようにも感じられる。そしてその両腕には自らよりも巨大な二振りの斧を有していた。

「あれでアリーナ
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