14部分:第二話 張三姉妹、太平要術を授かるのことその一
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第二話 張三姉妹、太平要術を授かるのことその一
第二話 張三姉妹、太平要術を授かるのこと
今青州で三人の姉妹がいた。
三人共質素な旅の服を着ている。一人はおっとりとした顔でピンク色のロングヘアで胸がかなり大きい。そしてその服は淡い赤である。
一人は青い髪を束ねた元気そうな女の子である。顔立ちが明るい。横で束ねた髪は微妙に癖がある。青い服の下の胸はお世辞にも大きいものではない。
三人目は紫の髪を首のところで切り揃えたクールな感じの眼鏡の女の子だ。服は紫である。何処か落ち着き以上のものを見せている。
その三人がだ。街の人達の前である大きな箱を見せていた。
「はい、この箱ですが」
「見て見て」
まずはピンクの髪の少女と青い髪の少女が明るく言う。
「私の名前は張角」
「私は張宝」
「張梁」
それぞれ名乗りもした。
「張三姉妹」
「宜しくね」
「それで見せるのは」
「はいっ」
その張角が箱を開けて集まっている街の人々に見せる。
「中に誰もいませんよ」
「おい、その声で言うな」
「それは洒落にならないぞ」
すぐに街の人達が突っ込みを入れる。
「あんたの声だとな」
「まずいだろ」
「まずいっていうか何なんだ?」
また言う彼等だった。
「とにかくだ。何するんだ?」
「それで一体何をするんだ?」
「はい、じゃあ地和ちゃん」
「うん、姉さん」
張宝が姉の言葉に応える。
「中にどうぞ」
「わかったわ。じゃあ」
こうして箱の中に入る。それからだった。
「一、二の・・・・・・って」
「またなのね」
張角は驚き張梁は冷静であった。
「ちょっと、地和ちゃん」
張角はすぐに箱に顔を寄せて囁く。
「まだなの?」
「ちょっと失敗して」
箱の中から小声で返す張宝だった。
「もう少し待って」
「もう、しっかりしてよ」
「姉さんに言われたくないわよ」
こんなやり取りをしてそのうえで何とか箱の外に出て来た。皆それを見てまずは驚いた。
「おお、これは中々」
「いいんじゃないか?」
「そうだよな」
「それにこのお姉ちゃん達奇麗だよね」
「そうだよね」
子供達も言う。
「青い髪のお姉ちゃん胸ないけれどね」
「ぺったんこだよね」
「それは余計よ」
張宝はむっとした声で子供達に返した。
「胸がなくなってやっていけるのよ」
「そうよ、姉さん」
張梁が次姉に対して言ってきた。
「気にすることはないわ」
「全く。何だってのよ」
「それでですけれど」
ここで張梁はざるを出してきた。後の二人もそれに続く。
「御願いします」
「食べ物を御願いします」
「よかったらお金も」
三人で言うのだった。
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