愛しているから
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人質を取られて動けなくなる評議院。彼らは説得を試みるが、それこそが彼らの狙いだった。
「はい、お疲れさん」
「お休みぃ」
「「「「「!?」」」」」
後ろから聞こえた二つの声に動揺し、振り返る。すると、そこには二人の少女たちが立っており・・・
「ガッ!!」
背を向けていた評議院たちを次々になぎ倒していく。
「グラン!!もういいよ」
「早いとこ逃げよ!!」
全員倒されたタイミングで人質だった女性が別の姿へと変化していく。それは、先程彼女たちを連絡を取っていた紫髪の男だった。
「まさか・・・」
「騙された・・・」
彼らは初めから人質を奪ったように見せかけて、後ろから敵を奇襲するつもりだった。彼らの手のひらで踊らされていたことに気付き、奥歯を噛みながら、離れていくその背中を見ているしかできなかった。
「いやぁ、今日も大量だったな」
「そうだな」
山賊や海賊とは異なり、自らの領域で戦うのではなく、街に降りていき標的を襲い奪い取る。そのスタイルができる彼らは、わずか五人ではあるが、皆洗練された実力者たちであった。
「でも、この作戦はしばらく使えないな」
中でも紫髪の青年・・・グラシアンは一番の実力者であり、この一団の中心的役割を担っていた。
「大丈夫だよ。策なんかいくらでも思い付くし」
「忘れた頃に使えばいいじゃん」
彼と同い年くらいの二人の少女たちはあっけらかんにそう言う。
「それに、これだけあれば当分働かなくても大丈夫だろ」
「その間に新しい策を考えようぜ」
少女たちと同じように楽観的に言葉を放っているのはグラシアンよりも年上と思われる二人の男。それを聞いた中心人物である青年は、大きくため息をついていた。
「グラシアン!!街でご飯買ってきて!!」
「また俺かよ!!」
「だって俺らじゃ顔バレてるし」
他者へと変化することができるグラシアンはこうやって雑務を頼まれることが多い。ただ、その分街に降りる機会も多くなるため、自分なりに楽しむこともできるから本人も悪い気はしていない。
「これとこれを買って・・・」
先日別の街で見掛けた女性へと変化して買い物を進めていく青年。頼まれたものもほとんど終わりかけたその時、目の前に進路を阻む者が現れる。
(なんだ?)
メモを見ていたため顔は見ていなかったが、誰かが前に立っていることは気配でわかった。なので、道を開けようと脇に避けると、相手も同じ方向へと動いて、さっきと同じ状況になってしまう。
(邪魔だよこいつ!!)
思わずイラッときた彼は睨み付ける
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