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μ's+αの叶える物語〜どんなときもずっと〜
第43話 赤とオレンジの秘密と甘え
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していたが、ぐるる、とずっと恨めしそうに唸っていたにこ。
彼女は相当真姫の家……というよりは真姫がお金持ちであることを羨んでいた。何故かは知らないがただ”自分より年下のくせに豪奢な建物があることが嫌”なのだろう。

 あくまで推測でしかないが、そう思う。
気にする程でも無いので特に頭の片隅に置いておく、なんてこともせずに前を歩くみんなの背中についていく。








 家の中も当然豪勢な家具ばかりだった。
まず玄関を開けるとすぐに少し長い廊下が広がっている。右手のドアを開けるとそこは豪奢な一室があった。いわゆるリビング。

 部屋の中央にはごつごつしてがっしりとした大きなテーブルがひとつ。テーブル上には、中身は入っていないであろう真っ白なポットや色とりどりのお菓子がずらりと並んでいて、仄かに蜂蜜のような甘い香りが鼻腔をくすぐり、思わず生唾を飲み込む。

 俺らが来る前に執事かなんかが準備しておいたものだろう。
座るために置かれたふかふかのソファも、床に敷かれた手織りの敷物も誰がどう見ても高級感あふれる色合いで座る事すら躊躇ってしまいそうな、そんなモノ。


「まさか真姫。お前本物のお嬢様なのか?」
「はぁ?いきなりすぎてイミワカンナイんだけど」
「や。なんか海の別荘と比べて豪華さの次元が違う気がしてるんだが……」



 『コイツ何言ってんの?』とでも言いたげな刺々しい視線にこれ以上言葉を繋ぐことができなくなった。どうやらこういう環境が当たり前なのだろう。
 もういちいちリアクション取るのもめんどくさいのでこれ以上は真姫の別荘について何も言わないようにしよう。



「うわぁ〜おっきい暖炉があるよ凛ちゃん!ほら!」
「ほんとにゃ〜!暖炉初めて見るにゃ!!」


 ふと意識を穂乃果と凛の方に向けるとソファの後ろ、暖炉の前でしゃがみこんで奥底をのぞき込んで興奮していた。
 確かに外から建物を見た時に煙突らしきモノは視認できたが、それはレプリカだと思っていたから言われてみれば珍しいかもしれない。

「あの暖炉は使えるの?」

 花陽が真姫にそう尋ねると、何故か嬉しそうに語りだす。
珍しく、ガチで。


「使えなくはないけど、あの暖炉は今まで一度も使ったことないわ」
「どうして?」

 この時、俺は。
俺達は真姫の語りを止めるべきだったのかもしれない。いつもより声のトーンは高く、饒舌だから自慢したい話だったのかもしれない。自ら自分の話をするのは珍しい彼女だからこそ、誰も止めなかったのかもしれない。


その結果、真姫の秘密(・・)を不本意ながら俺達は知ることになる。



「だってその暖炉から毎年12月のクリスマスにサンタ(・・・)さんがやってく
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