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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。
0033話『占守島奪還作戦 −前編−』
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前段作戦が終わって一息ついて翌日に春日丸がうちの鎮守府に配属された。
それで空母寮が賑わいを見せている次の日に柳葉大将から話された最終海域への私自身の出撃命令…。
大本営は私の為だと思っているのだろうけど、正直言って怖いの一言に尽きる。
でも、みんなが恐怖を押し殺して戦っているんだ。
だから私が後ろで指示だけ出していては示しがつかない。
提督という職は確かに艦娘に指示を出すだけのものになっているのかもしれない。
だけど同時に今は私自身が艦娘だ。
だから戦えるのなら一緒に戦いたいと思っている。
その話題は瞬く間に鎮守府中に広がったようで昨日は入れ替わりみんなが執務室に押しかけてくる光景が多かった。
みんなから感じられる感情は『心配』『不安』その他もろもろ…。
それをなんとか抑えるのに昨日は一日を使ってしまった。
みんなはなんとか私の言い分には従ってくれたけど納得はしていないと言ったところか。
当たり前のことだけど自分たちの主が自ら出撃すると言われれば、私が死んでしまうかもしれないという不安に駆られるのは当たり前だ。
そしてみんなが信用しているという自負を持っているのは私だけなのだ。
きっと私が死んでしまったら考えたくないけどみんなは解体を大本営に要求するだろう。
それほどにこの世界では私の存在は彼女達にとって大きいものだと思っている。
それでもんもんと難しい事を考えている時だった。

《…提督。眉間に皺が寄っていますよ?》
「榛名…。すまない」
《いえ、提督の事を考えれば仕方がありません。
大本営の命令とはいえ最終海域に出撃命令を出されるとは思いませんから》
「そうだな。それでみんなからも行かないでと昨日さんざん言われたけど、こればかりはどうしようもない事だ」
《はい。ですから艦娘代表として提督の身は私が必ず守ります。体の動きは私が指示しますのでご期待ください》
「ああ、頼む。私自身榛名の体を十二分に動かせる保証が今はないから榛名の補助があれば助かるというものだ」
《はい。榛名にお任せください》

それで二人で笑みを浮かべている時だった。
大淀が部屋に入ってきて、

「提督! 大本営から電文が届きました! 後段作戦が開始されたそうで現在占守島に敵陸上型深海棲艦が上陸をして占拠していると言います」
「そうか。だとすると陸上装備ができる艦娘を集めるとしようか」
「はい、わかりました」

それで私は艦娘早見表を開いてこの戦闘に適した艦娘を選別する。
しばらくして出す艦娘が決まったので執務室に呼ぶ事にした。
そして執務室に入ってきた艦娘達。

「提督よ。吾輩と筑摩を使うという事は陸上タイプの深海棲艦じゃな…?」
「利根姉さん、同時に制空権確保の役目もあると思いますよ」

まず入っ
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