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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
11.虚言と死神
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 二〇二四年十月二十三日 第七十五層・迷宮区

 光の欠片が空中へと爆散していく。
 先ほどまでシュウの前で暴れていたモンスターは今やこの世界には存在しない。だが、また数分もすればリポップするだろう。

「はぁ……はぁ……」

 七十五層の普通のモンスターを倒すだけでも肩で息をしてしまっている。

「これじゃ……ダメ、だ……」

 ヒースクリフのとのデュエルに敗れて三日が経過した。キリトは結局、血盟騎士団に入団させられることとなった。
 それに対してシュウはあのデュエルに敗れた日にヒースクリフから勝利条件を破棄されたことで今でもソロで最前線に潜っている。
 なぜヒースクリフはシュウを血盟騎士団に入れるのを拒んだ理由がわからない。
 いや、わかっているのかもしれない。
 あの時感じた違和感を、シュウが導き出した答えが正解だとするなら全ての説明がつく。
 しかし、そんなことを言っても信じてくれる者など誰もいないだろう。
 もしかしたらキリトならば、同じ違和感を抱いた彼ならば信じてくれるかもしれない。だが、今や彼はヒースクリフの手中にある。
 だからこの違和感は一人で抱え込むしかない。
 ヒースクリフに一人でも対抗できるだけの力をつけるしかない。そのためにはもっと強くならなくてはならない。

 ───もっと強く、もっと強く強く強く強く強く強く強く強く

 呪詛のように頭の中で呟かれた言葉。
 それを見計らったかのようにモンスターがリポップした。

「うぉぉぉぉ───ッ!」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「訓練?」

「そうだ! わたしを含む、団員三人のパーティーを組み、ここ五十五層の迷宮区を突破してもらう」

 キリトはいつもの真っ黒なコートから血盟騎士団のメインカラーの赤と白を貴重とした自分には似つかわしくないコートを着ていた。アスナ曰く似合ってるらしいがキリトとしては落ち着かない。
 そんな落ち着かない中で談話室を思わせる雰囲気の部屋でくつろいでいたところそこに血盟騎士団フォワード指揮をとるゴドフリーが現れた。

「ちょっと、ゴドフリー! キリト君は私が!」

「副団長といえど、規律をないがしろにしては困りますな。それに入団する以上、フォワード指揮を預かるこのわたくしに実力を見せてもらわねば」

「あ、あんたなんか問題にならないくらい、キリト君は強いわよ!!」

「では、三十分後に街の西門に集合!!」

 右腕を突き上げ、体育会系ノリのゴドフリーは、笑いながら部屋から出て行く。

「はぁ〜、せっかくキリト君と一緒になれたのに」

「すぐ帰ってくるさ。ここで待っててくれ」

 キリトがアスナの頭を撫でながら答える。


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