最終章:夢を追い続けて
第48話「“対話”」
[7/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「夢...目標か...。」
ふと、思い返してみる。俺は、常に努力を積み重ねてきた。
そして、今がある。...俺は、何を目指して努力してきたんだ?
「...目先の目標は、あいつに復讐...いや、見返してやりたいなんて、単純なものだった。でも、今はそれが為されたから...。」
考えてみれば、そんな大層な夢も目標もなかった。
努力してきたのも、ただ他の人達に追いつきたいからだった。
「俺は...ただ皆に追いつきたい。そのために努力をしている。」
「ですが、その望みは既にほぼ叶えられています。」
そうだ。既にほとんど叶えられたも同然だ。
努力を重ねに重ねた結果、俺は普通の人よりも優れた領域に立っていた。
文字通り、努力の賜物と言う訳だが、“その先”が俺にはあるはずだ。
「....なるほど...な。」
「...気づけましたか?自身の秘めた“夢”に。」
「漠然と...だけどな。」
切欠は、確かに追いつきたいという想いだった。
それに嘘偽りは一切ないし、今も桜さんや束さんに対して抱いている。
だけど、“夢”はまた別にあった。
「...俺は、どこまでも、どこまでも果てしなく、駆け抜け、羽ばたいていきたい。地上を駆けるのでもなく、空を自由に羽ばたくのでもなく、ただ、自分の力の限り....!」
幼い頃、束さんに宇宙に行きたいという夢を聞かされた時から、その想いはあった。
俺は、ただ自由に羽ばたきたいのだ。...この、広大な世界を。
まだ、誰も知らないような領域も含めて、全ての世界を...!
「....それは、到底叶えられるような願いではありませんが...。」
「...“夢”は、追い求めるもの...桜さんから聞かされたよ。」
無茶苦茶な夢だと、普通の人が聞いたら呆れるだろう。
だけど、俺は本気だ。無意識に、幼い頃から思っていたんだからな。
「それに、君自身の...“夢追”も、そのためにあるんだろう?」
「....なるほど。」
“夢”を追うためのIS...それが“夢追”だからな。
「例え届かなくても、追い求めるのが“夢”だ。なら、それだけ大きく持たないとな。」
「....いいでしょう。」
俺の言葉を聞き終わった夢追は、満足そうに目を瞑る。
「納得のいく答えが出なければ...と思っていましたが、杞憂でしたね。」
「...ちなみに、その場合はどうなってたんだ?」
「それでも担い手としては認めていましたが...少なくとも、お父様には勝つ事は不可能になっていたでしょう。」
「...そうか。」
これ以上の伸びしろがなくなるとか、そういう事なのだろう。
しかし、ISの皆が皆、桜さんや
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ