暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第48話「“対話”」
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でいる。

「....どこだ。ここ...。」

 その空間の異様さの前に、なぜ俺がここにいるのかがわからなかった。
 俺は、千冬姉に言われた通り、自室に戻って仮眠を取っていたはず...。

「あれは....。」

 遠くの方で、何かが宙で光っている。
 まるで“目指すべき光”のようにソレは光っていた。

「どうして、俺はこんな所に....。」

 前触れも、何もなかった。あまりに唐突すぎる。
 まさか、桜さんの仕業か...?

「...ここは夢追の中だよ。」

「っ...!?」

 突然聞こえた声に、後ろを振り向く。
 そこには、白いワンピースを着た少女が立っていた。

「誰だ....!?」

「ふふ...誰でしょう?声は聞いた事があると思うけど。」

「声.....?」

 目の前の少女の声。...確かに、聞き覚えがある。これは...。

「....白?」

「正解!ご褒美に、ある程度の質問なら答えるよ。」

 そう言って微笑む白。...いや、正しくは白式の意志か。

「夢追の中...って言ったな。詳しく説明してくれるか?」

「あれ?てっきりお母さんたちの事を聞くと思ったけど...。」

「...どうせ答えないと思ったからな。」

 飽くまで“ある程度”だ。おそらく、その範疇を超える質問だろう。

「まぁ、その通りだね。じゃあ、答えるけど...夢追の中とは言ったけど、ここは夢追を表す精神世界でもあるんだよ。だから、そこら中に“夢”があるでしょ?」

「...あの水の球、全部がそうなのか...。」

 よくよく見てみれば、何かしらの光景が中に見える。
 所謂“夢見る光景”と言った物だろう。

「そして、あれが目指す領域。追い求めたくなるでしょ?」

「....ああ。あそこに辿り着けば、“答え”が見つかる...そんな感じだ。」

 だが、辿り着けないのだろう。何せ、“夢”を追うのだから。

「理解が早くて助かるよ。」

「...それで、どうして俺をここに?」

「それはもちろん...。」



「―――私と対話するためです。」

 別方向からの声に、俺は振り向く。
 そこには、もう一人少女がいた。

「君が...夢追か。」

「はい。」

 白よりは少し成長している姿だが、まだ少女の域を出ない。
 白いワンピースなのも同じだが、髪の色が若干黄色混じりの銀髪だ。

「対話...か。千冬姉が言っていたような対話を、俺もか?」

「はい。貴方に聞いておかねばならない事があるので。」

 聞いておきたい事...か。

「貴方は...今、どのような“夢”を持っていますか?目標でも構いません。」


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