第81話 大事な欠片
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た事がない雰囲気にサソリ警策も普段の調子から外れて、困ったように視線を泳がせた。
「なによそれ......」
御坂が涙声でしゃくりを上げながら言う。
「.....死ぬ前になんとかするから大丈夫だ。ゼツも油断しているみてーだし」
「違う......」
「??」
御坂の感情が読み取れないのかサソリは不思議そうな顔をして俯いている御坂を覗き上げようとするが....,,
パシンッ!!
サソリ警策の左頬に衝撃が走り、椅子から崩れ落ちた。
「!?」
「違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違うー!何もかも違うー!!」
御坂が電撃をバチバチ放ちながら、感情を爆発させる。
「.......?余計な体力を使......!?」
サソリは初めて御坂の両眼から涙が溢れているのに気が付いて、思わず動きを止めた。
「だって....,,アンタ死んじゃうのよ」
「そうだな」
「な、何で......そんなに冷静なの......何で、何でよーーー!」
女ってのは無駄なことをするのが
好きな奴らだな......
声を荒げて涙でクシャクシャになった御坂の様子にサソリは目を見開いて驚く。
最期の戦闘に敗北した時と重なった。
痛みを感じない身体から借り物ではあるが引っ叩かれた痛みが妙に脳へと伝わる。
結局、オレは変わらなかった
何一つ......
「身体......」
「ん?」
「身体を取り戻せば元に戻るわよね?」
「......」
徐に立ち上がるサソリ警策。それは吹っ切れたような笑みを浮かべると御坂に聞こえるようにはっきりと言い切った。
「ああ、そうだな」
御坂はホッとしたように緊張を緩めると一息つくため瞼を閉じると首筋に一発凄まじい衝撃が入り、簡単に意識をなくしてサソリにもたれ掛かるように倒れ込んだ。
「!?......」
サソリ警策は振り下ろした腕の構えを解くと気絶した御坂を抱き抱えると優しく横にさせる。
「ララ」
食蜂がリモコンをサソリ警策に向けながら呼吸を整えながら狙いを定めていた。
「......やりたきゃやれ。たかがチャクラの亡霊のようなオレを生き残らせたいならな」
「......どんだけ自分勝手なのかしらぁ」
「?」
「自分が犠牲になる事しか考えていないわよぉ......少しは残される側の方も考えたらどうかしらぁ」
食蜂はララが時空崩壊で消えていった友人『ララ』を思い出していた。
部屋に戻っても彼はおらず、どこに行っても二度と逢えない辛さが心を締め上げる。
「あの時の後悔なんてもうたくさんよ。大切な人を喪うのなんてねぇ!」
食蜂の慟哭に近い言葉にサソリの頭にかつての家族を思い出させた。
お父さん......
お母さ
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