0032話『大本営の意思』
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な」
内心で柳葉提督は榛名提督の事を深く同情しながらもこの事を伝えるために電話を取った。
そして、その件を伝えられた榛名提督は、
「そうですか。分かりました…出来る限り尽力したいと思います」
『そうか。すまないな。儂の力が及ばずに…』
「いえ、柳葉大将が落ち込む事はありません。いずれは通らなければいけない道なのですから今回はいいテストケースなのでしょう」
『そう言ってもらえると心休まるが、大丈夫かね…? 榛名提督も思う所はあるのだろう』
「はい、まぁ。でも大本営が決めた方針に逆らうわけにはいきません。ならば後はやるだけです…」
そう言って私はある意味諦めの思いでその報告を受け止めた。
最後に柳葉大将は『無事に帰ってきなさい』と言って通話を終了した。
「提督…本気ですか?」
そこに話の内容を隣で聞いていた大淀が真剣な表情でそう聞いてきた。
「ああ。分かっていたさ。この作戦が始まってから向けられていた視線を払拭するには私が覚悟を見せないといけない事は」
「ですが、もし提督が轟沈されてしまったら残された私達はどうすれば…」
それで少し泣き顔になる大淀。
そんな大淀の頭に手を乗せながら、
「大丈夫…きっと帰ってくるよ。それに私は一人じゃない。みんながいる。
そして榛名も一緒になって戦ってくれる。それなら怖いモノなんてないさ」
そこに榛名が出て来て、
《はい。提督の事は榛名が必ずお守りします。たとえこの心が砕けようとも…》
「そんな悲しい事を言わないでくれ、榛名。みんなで無事に帰ってこよう」
《はい、提督…》
それで私は最終作戦で私自身が出撃することを決めたのだった。
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