暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
10.ぶつかり合う特異能力
[8/8]
[8]
前話
[9]
前
最初
[1]
後書き
[2]
次話
ながらも盾で受け流される。
逆に流されたのを利用してシュウは上空へと飛び上がる。空中で右腕を振るいシステムアシストの力を借りて無理矢理軌道を変更する。
身体に捻りを加えてヒースクリフの真上へ。それと同時に身体をシステムの力がシュウの身体を落下させる。
重攻撃となった左翼の紅蓮がヒースクリフめがけて振り下ろされる。それすらも盾で防がれる。だが、それによって完全に体勢を崩した。
十字の盾は大きく弾かれ初めてヒースクリフの全身が姿を現した。
「うぉぉぉぉ───ッ!」
右翼がヒースクリフの身体へとめがけて突き刺される。
勝利を確信した。
その時だった。
「────ッ!?」
目の前で起きていることを理解ができない。
手刀が突き刺さる寸前。時が止まったような感覚がシュウを襲った。剣が、手刀が、身体が、全てが止まっている。だが、その中でヒースクリフの盾だけがゆっくりと手刀の方へと近づいてくる。
完璧にヒースクリフの盾は弾いた。あの状態からシステムのアシストなしで防御姿勢に入るのは不可能。
いや、あの状態から防御スキルにはいれるスキルがあるわけがない。仮に《神聖剣》のスキルだとしてもありえない。これではゲームバランスが崩れてしまう。
───ゲームバランスが……崩れる。
その瞬間、全てのピースが繋がっていく。
───キリトがこのタイミングで呼ばれたわけ。
───HPがイエローゾーンに突入したところを見たものが誰もいないわけ。
───全ての攻撃に盾で対応できるわけ。
───そして……この状況のわけ。
手刀は十字の盾によって阻まれた。それとともにシュウの右腕は大きく跳ねあげられる。
次に左翼のモーションに移行しようとするがそれよりも早く長剣がシュウの身体を突き刺した。
それとともにHPはイエローゾーンに突入し、デュエルの終了を告げる音が静寂のコロシアムに鳴り響いた。
「……あんたは何者だ。……ヒースクリフ」
その問いには答えることなくヒースクリフは背中を向けて闘技場を後にしようとする。途中で足を止めたヒースクリフはわずかにだけこちらを振り向いて、
「……君は血盟騎士団にはふさわしくはない」
その言葉だけを残して闘技場を後にした。
一人残されたシュウは震えていた。先ほど一瞬だけ見えたヒースクリフが笑っているように見えた。
それが意味することがわからずにシュウは震えるしかなかった。
ヒースクリフの強さの理由がなんとなくわかったシュウであったがそれ以上に敗北したという感覚だけが残った。
そして闘技場の灯りは消えた。
[8]
前話
[9]
前
最初
[1]
後書き
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ