暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
10.ぶつかり合う特異能力
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闇の中から現れたのは、白と赤の鎧を身にまとったプレイヤー。SAO最強とも呼ばれる《血盟騎士団》団長、ヒースクリフ。

「それは悪かったよ、団長殿。そういうそっちこそ連絡もなしとか最大ギルドの団長さんが不味いんじゃないの? ちゃんとホウレンソウはしないと」

 確かにそうだな、とわずかに笑いを浮かべるヒースクリフだったがすぐに真剣な表情へとなり、

「それでわたしこんなところに呼び出したのはこんな話をしに来たわけではないのだろ?」

 早く本題に入れという事か。
 シュウは小さく呼吸をしてからヒースクリフを睨みつける。

「あんたの行動が少し気がかりでな」

 ヒースクリフは無言のままシュウの言葉に耳を傾ける。

「ほとんどが形にできないようなものばっかりだったがここに来てようやく言葉にできそうなのが出て来たんだよ」

 シュウは右手を前に突き出して人差し指をあげる。

「まず一つ目、キリトが《二刀流》を初めてボス戦で使ったタイミングでのキリトへとデュエルの申し込み」

 中指を立てる。

「二つ目、さっきキリトとのデュエル中に感じた違和感」

 さらに指を立てる。

「三つ目、これは二つ目に似たよった感覚だがあんたのユニークスキル《神聖剣》の異常さだ」

 するとヒースクリフはわずかにため息を漏らし、

「しかしシュウ君、先ほどあげた三つもほとんどが君の感ではないか。確証をつくものは何もない」

 その通りだ。
 今まであげた三つも結局はシュウが感じていること。具体的な言葉になっているだけで何がどうという確証はどこにもない。
 だが、ここで引き下がるわけにはいかない。
 シュウはこの直感を信じてこなかった。それが招いた結果がいくつもあった事件の数々だ。
 だからこそ、今度こそ自分を信じてみるしかない。

「確かに確証はない。だから……」

 シュウはメニューウインドを開いて指の震えを抑えながら空中に浮かび上がったウインドを押した。

「ほう……これは予想外だね」

 ヒースクリフの目の前に浮かび上がる。
 初撃決着モードのデュエル申し込みの表示だ。
 SAOのデュエルには、三種類存在する。初撃決着、半減決着、完全決着の三種類だ。
 基本的に力試しのデュエルでは、初撃決着モードを選んで行われる。このゲームが本来の機能を持っていれば完全決着モードをとるのだが、それはただの命がけの戦いとなる。半減決着モードにしてもクリティカル判定が出てしまうと相手のHPを全損させてしまう恐れがあるためほとんど使用されない。
 そこで消去法で初撃決着モードがデュエルでは選ばれる。しかし、初撃決着といっても一撃でも受ければ終了というわけではなくHPがイエローゾーンに突入するか、強攻撃を受
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