ガンダムW
1691話
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ているのだろう。
視線を背後に……ベッドに向けると、そこではこうして近くで通信をしているにも関わらず、凛と綾子の2人は起きてくる様子がない。
余程に体力を消耗したのだろう。
ともあれ、サリィは少し呆れた口調のままに説明を続ける。
『実は今から3時間程前になりますが、財団派が大きな動きを見せました』
「……財団派が?」
俺の声には、自分でも分かる程に意外といった感情が滲んでいる。
当然だろう。ただでさえOZはバルジが消失したという理由から宇宙に残っている戦力は多くなかったのに、それに加えてトレーズを幽閉した件の内輪揉めで分裂している。
更に言えば、トレーズ派と財団派の戦いにはエンデュミオンの鷹が乱入しては、財団派の戦力を削っているのだ。
その状況で、よく大きな動きと言える程の動きを見せられるものだ、と。
感心してしまうのは俺だけじゃないだろう。
『ええ。ただし、こちらに内応している相手からの情報によると、財団派はバートン財団と手を組んだとか』
「……何?」
それは、明らかに俺にとっても予想外と呼ぶべき情報だった。
OZ……いや、ロームフェラ財団とバートン財団は、とてもではないが関係が良好とは言えない。
トレーズの娘のマリーメイアの件を考えれば、もしかしたら可能性はあったのかもしれないが……それ以前に、今のロームフェラ財団はトレーズを邪魔者として排除したのだ。
それを考えれば、やはりバートン財団と財団派が手を組むというのは疑問だ。
「どっちが主体となってるか分かるか?」
『残念ながら、そこまでは……こちらの手の者も、そんなに多いという訳ではありませんから』
「そうか。……けど、考えようによってはこっちにとってもいい事かもしれないぞ? 今まで逃げ回って殆ど姿を現さなかったバートン財団が、表だって動いてくれるんだから」
『そうですね。こちらでもそう予想はしています。……アクセル代表、もしかしたらシャドウミラーは地上に降りるよりも前にこちらの方を先に担当して貰う事になるかもしれませんが……』
「その辺は後で凛と話してくれ」
ベッドの上で艶めかしい程に白い、魅力的な肌を露わにして眠っている凛を見ながらそう告げる。
『……そうですね。出来ればこの通信で話をしたかったんですが、そういう訳にもいかないようですし』
そんな俺の言葉に返ってきたのは、どこか不満そうなサリィの言葉だった。
あー……まぁ、この話に参加する筈の凛は、今はこうして意識を失ってるしな。
そう考えれば、サリィが不機嫌になるのは決して分からない話ではない。
「とにかく、財団派とバートン財団の同盟についての情報をもう少し詳しく集めて欲しい」
『はい、それは言われるまでもなく既に行動中です。…
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