第三十九話 おぢばがえりその二十一
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「確かにおぢばの夏は暑いわね」
「冬は寒くて」
「神戸も冬は寒いわよ」
前は海、後ろは山で風がいつも来てです。
「だから冬の寒さは慣れてるけれどね」
「奈良の寒さって堪えますよね」
「何か阿波野君のお家のある場所は」
聞いた限りではです、阿波野君本人から直接。
「特に寒いみたいね、奈良の中でも」
「高い場所で山に囲まれてまして」
「避暑地みたいな感じ?」
「はい、夏は実際に涼し目ですが」
冬はというのです。
「桜井まで何もなくてもこっちは雪とかですから」
「それは凄いわね」
「それ宇陀です」
「また凄いわね」
「神戸よりも寒いですね」
阿波野君もこう言うのでした。
「僕神戸の冬はよく知らないですが」
「実際に寒いわよ、けれど」
雪と聞いてです、私もです。
「そこまではね」
「寒くないですか」
「ちょっとね」
私自身こう思います。
「幾ら何でも」
「それはいいですね、雪降ったら冗談抜きで何も出来なくなりますから」
車が動かなくなったりしてです、東北の方でこうしたお話は聞きますが奈良県にもそうした場所はあるみたいです。
「雪は大変ですよ」
「東北みたいな言葉ね」
「確かに。ですが奈良のお話です」
「そうなのね」
「はい、あと僕神戸好きなんですよね」
阿波野君は夜空を見上げつつにこにことして言いました。
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