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レインボークラウン
第四百三十一話

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                  第四百三十一話  醍醐味
 亜美は最後に醍醐つまりヨーグルトを造りにかかった。そしてその造っている時にふとセレニティとアルテミスが言った。
「醍醐といいますが」
「よく聞きますね」
「ああ、天皇陛下のお名前にもなってるな」
 亜美は二匹に帝の方々のことから話した。
「醍醐帝、御醍醐帝ってな」
「そうですね、おられましたね」
「特に後醍醐帝が有名ですね」
「歴史で習うらしいな」 
 後醍醐帝のことはと言う亜美だった。
「何でもな」
「その様ですね」
「歴史的にかなり有名な方で」
「南北朝時代の方やったな」
 その頃の帝であられた、この時代の中心におられた方と言っていい。
「確か」
「はい、そしてですね」
「帝のお名前にもなっていますね」
「これおもろいな」
 あらためて言う亜美だった。
「帝のお名前に食べものの名前があるなんて」
「そうですね、しかもお二方もですから」
「実に面白いです」
 二匹も言う。
「私もそう思います」
「私もです」
「全くやな、他の国にはないんちゃう?」
 君主の名前や贈名になることはというのだ。
「考えてみたら」
「日本だけですね」
「おそらくは」
「言うならヨーグルト皇帝かいな」
 亜美は今造っている醍醐がヨーグルトであることから言った。
「漫画やゲームに出てきそうやな」
「コミカルな感じで」36
「そうなりますね」
「いや、醍醐味ともいうし」
 亜美はこの言葉も出した。
「この言葉結構馴染みあるな」
「醍醐味、そうも言いますね」
「深いもの確かなものという意味でしょうか」
「そしてそれを味わう」
「そうした言葉ですね」
「そうも使うしな」
 その醍醐味という言葉はというのだ。
「醍醐ってよお聞く言葉やな」
「はい、実は」
「そうした言葉ですね」
 二匹も言うのだった。
 亜美は二匹の話からそういうことにも思いを馳せた、そしてそのうえで醍醐を造っていくのだった。錬金術のその中で。


第四百三十一話   完


                    2017・3・26
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