第1章
『落ちこぼれなんて好きでなったわけじゃない』
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よい、努力をした事に意味があるのじゃ、お主が培ってきた努力はお主を決して裏切りはせんよ」
そう言って、今まで悪態をついてきたシフォンが抱き着いてきた。
サーシャもそれに乗じて後ろから俺を抱きしめる。
「…マスター、私もシフォンも、貴方を許します、だから、貴方も私達を、不甲斐なく、貴方の期待に答えられなかった私達を許してください、この世界には沢山ポケモンがいます、旅をして、また以前の様に努力して、更に仲間を増やせば、いずれ勝てるようになりますよ」
その瞬間、サーシャは、こう言った。
「マスター、私達とまた戦ってください」
ああ。
そうか。
そうだったんだ。
俺と彼女の間にあった差は、経験でも、知識でも、レベルでもなかった。
理解だ。
俺には自身のポケモン達に対する理解がなかった。
ただ勝ちたいが為に、大事なパートナー達を『使って』いたんだ。
彼女にはそれを見抜かれていた。
ピジョットと一緒に『戦って』いた彼女は、俺の弱さを、弱点を見抜いたのだ。
やっとそれに気づけた俺の視界には、綺麗な青空が写っていた。
「サーシャ、シフォン、俺さ、もう一度やり直すよ、今度はお前達と一緒に戦う、一緒に戦って、強くなる、だから、…だからまた、俺と一緒にいてください」
「はい」
「うむ」
空が霞んで見える。
涙で視界が滲む。
だけど、俺の目に映る世界はもう、モノクロの世界じゃなかった。
世界中の誰よりも大切な相棒達と、これからの世界を歩もう。
俺はこの日、旅に出ることを決め、サーシャとシフォンと久しぶりに一緒にゆったり過ごした。
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