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フロンティアを駆け抜けて
怪物との決着
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んて真似はするんじゃねえぞ!! レックウザ!!」
「――きりゅりりゅりしぃぃしゅぅぅうううううう!!」

 メガレックウザ自身が、己の本拠地であるオゾン層へと昇る。その巨躯を動かすエネルギー源はオゾン特有の空気。それを十分に吸い込み、全ての力を込めた大空からの急速降下を行う。

「行くよ、ラティ、メタグロス!」
「これが僕達の……最後の一撃! 集う想いが拳と代わり、伝説を超える意思となれ!」
「私達が未来をつかみ取るために誰が相手でも戦い抜くと、お父様達じゃなくこの子達に誓うわ!」

 鋼の体を、メガシンカしたラティアスとメタグロスによる思念の力が駆け巡る。アクロバット飛行をする戦闘機のように回転しながらメガレックウザに正面から向かっていく。その想いは赤青緑紫、メタグロスの特徴である巨大な四つの拳を形どりメガラティアスの四方に完成する。ダイバとジェムはこの戦いに勝つために、二人で叫んだ。

「『天河絶破拳』――――」
「『タイタニック・フィスト』!!」

 作り出した四つの思念の拳が降下するメガレックウザと激突する。ぶつかり合い拮抗したのは数瞬。自身の身体すら超えるサイズの巨大な拳に押され、メガレックウザの体が後退していく。最後にメタグロスを纏ったラティアスがぶつかり――メガレックウザの象徴、鋭い顎を粉砕して上へと駆け抜けていった。


「……見事だ」


 上空を見上げていたエメラルドが決着を理解し、真剣な声で言う。メガレックウザは倒れることはなくそのままオゾンの中へ消え、最後の一鳴きを残し遠くに飛んでいった。鋼を纏ったラティアスがジェムたちの元へ帰還し、いつも通り――いや、ジェムとダイバの周りを嬉しそうにくるくると回る。

「ありがとうラティ、メタグロス、みんな……!」
「じゃあこれで……」

 キュウコンとジェムに包まれたダイバがエメラルドを見る。彼は袖口に持っていた金色のシンボルを掲げ、宣言した。

「てめえらの勝ちだ。危機に陥ったバトルタワーを救い、俺様に勝ったその強さ……認めてやるぜ! これがお前達の才能の証、アビリティシンボルだ!」

 指ではじいて渡されたシンボルは、メガレックウザを象徴する細長い緑の長方形に金の輪があしらわれている。それが突然バトルタワーを襲った者達に真の支配者。数々の戦いを潜り抜けた二人への最大の賛辞だった。この一戦は、のちに伝説の戦いとしてホウエン中で語られることになる――。

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