暁 〜小説投稿サイト〜
フロンティアを駆け抜けて
怪物との決着
[7/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
かずにすむって腹か? だがもう手遅れ――なに!?」

 エメラルドがいいかけ、そして初めて本気で驚いたような声をあげた。ジェムも驚く。だがそれはメタグロスとラティアスが相討ちになったからではない。メタグロスがメガシンカするときに己の体を変形させるのと同じ光に包まれ、ラティアスの身体と混じりあう。そしてそのまま『龍星群』が直撃した。

「……やれるかどうかは賭けだった。でももうこれしかない……そう思った」

 いくつもの星がフィールドに落ち、フィールドが焼ける。だがその場の全員の視線はメガラティアスに注がれていた。光が消え、黄金のエネルギーが体を通り抜けたそこには……メタグロスの鋼によって体をコーティングされまるで本物の飛行機のように丸みと硬さを持ったフォルム。胸にメタグロスのXラインを付けた鋼を纏ったメガラティアスがそこにいた。自分の無事を伝えるように彼女は鳴く。

「ひゅうううううん!!」
「メタグロスの鋼が、ラティを守ってくれてる……」
「どういうことだ……合体したってのか、ポケモンが」

 あり得ない話ではない。ヤドンとシェルダーが合わさってヤドランになるのは有名な話だし、カブルモやチョボマキがお互いに交信し合うことでそれぞれ進化を果たす例もある。何よりメガシンカとは要は己の体を変質させて新たな力を得る能力だ。メガメタグロス自体ダンバルやメタングとメガシンカのエネルギーを使い合体できるから成立する。ならば変改した体をラティアスにフィットさせるのは理論上可能ではあるかもしれない。とはいえそれは机上論だ。実際に全く異なるポケモン同士が突然合体するなど奇跡でも起こらない限り不可能だ。

「……『思念の頭突き』で僕とメタグロスの意思をラティアスに全部伝えた。そこでラティアスがほんの少しでも拒否すれば合体は失敗になった。可能性にして……成功する確率は五パーセントにも満たないってメタグロスは言った」

 でも、それは成った。ラティアスがダイバ達を、いやラティアスが信じるジェムがダイバ達を信じたことでメガシンカポケモン同士の融合という奇跡をなし得たのだ。

「これが僕とメタグロスの……いや、ここにいる全員でたどり着いたメガシンカの答えだ!!」
「すごい……すごいよ! これならきっとメガレックウザにだって勝てる!」
「ハッハッハッハッハ!! こいつは傑作だ、予想以上だ! 面白い、やはりあいつの考えることは笑わせやがる!!」

 本気で面白そうに、愉快そうに笑うエメラルド。レックウザも目の前の現象に流石に驚いているのか、咆哮にはわずかに混乱が交っている。

「だが! どんな信頼も奇跡も、結局は勝てなきゃ意味がねえ! それがお前達二人のたどり着いたシンカの先だって言うんなら……『画竜点睛』を欠くな
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ