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フロンティアを駆け抜けて
怪物との決着
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クウザを倒す手段は、もうない……」

 絶望に染まった声。残ったのは本体の頭だけ。『思念の頭突き』など可能な攻撃手段はあるが頭一つで突っ込んでも玉砕するのは明白だ。ガルーラではそもそも攻撃を当てることすらままならない。ジェムを連れてきたのはあくまでメタグロスのサポートの為だ。メガラティアスの攻撃性能は低くないし防御力もあるが、ドラゴンタイプのメガレックウザ相手では分が悪すぎる。そんなダイバの様子に、エメラルドは失望したような声を出した。

「……がっかりだぜ。俺様を倒すためにどんな攻撃方法を考えてきたかと思えば仲間の鬼火に頼り、防御と回避を上げて徹底的に保身に回るだけの臆病なバトルをするなんてな」
「臆病、じゃない。僕は、勝つために……パパに勝つ方法をずっと考えて」
「勝つためだ? ちげえよ。今のお前は負けることから逃げようとしてるだけだ。そんなんじゃあの小物には勝てても俺様やチャンピオンには……いや、隣の女にだって勝てっこねえぜ! 今のお前は俺やネフィリムが与えたポケモンが強いってだけで、お前自身はただ根暗な割に我儘なだけのガキだ!!」
「う……う……」

 エメラルドがジェムを指さす。その言葉には自分の子供への容赦は一切ない。ダイバの表情は見えなかったが、蹲る彼の床にぽたぽたと雫が落ちたのをジェムは見逃さなかった。だからジェムは、自分の相棒に指示を出す。ダイバの体が念力で、ジェムとキュウコンの傍まで移動させられる。そしてキュウコンと巻き込むように抱き寄せた。ダイバはそのことに反応も出来ず、泣いている。

「……それは、違うわ」
「……?」
「確かにダイバ君でもエメラルドさんには勝てないかもしれないし、私でも勝てない。でも……ダイバ君は一人じゃないでしょう?」
「はっ、二人で力を合わせれば1+1は4にも10にもなる……ってやつか?」

 エメラルドが小ばかにしたように言う。よく言われる話だしダブルバトルではそれが肝となるのは事実。でもジェムの言いたいことはそうではない。頭だけになってもレックウザと対峙するメタグロス、テレパシーで意思を伝えるサーナイトにボールの中で子供と一緒に待機するガルーラ。バトルには出られなくてもダイバを見守る残りのポケモン達。

「1+1なんかじゃない。メタグロスの腕はなくなっちゃったけど……まだ、ダイバ君のメタグロスは諦めてないよね。ガルーラだって、サーナイトだって……ダイバ君の手持ちのみんなは、まだダイバ君ならきっと勝てるって信じてるのが私にも伝わってくるもん」
「でもそれは……パパとママが、僕を守るように言ったから」
「最初はそうだったと思う。でもダイバ君も少しずつ成長して……今では自分の意志で指示を出してるじゃない。それにダイバ君の仲間たちは従ってくれる。なら
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