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フロンティアを駆け抜けて
怪物との決着
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先でつまめる程度まで砕かれて、ダイバが青ざめがならも指示を出そうとする。

「……ジェム、もう一度『影分身』で腕を」
「無駄だっつってんだろ?」

 メガレックウザが再び吼えると、乱気流がまた吹き荒れる。熱を利用して生み出された分身は空気をかき乱されてぐちゃぐちゃに霧散した。三つに減った腕の一本を、レックウザが今度は尾で思い切り叩き切る。腕が真っ二つに切断されてフィールドに落ちた。

「ッ……キュキュ、『火炎放射』!」
「はっ、いいのか? 攻撃してくるってんなら……俺様のレックウザは降りかかる『火の粉』は払い落すぜ。『神速』だ!」

 キュウコンが九の尾からありったけの炎を放つ。長さ何メートルにも及ぶ大火などものともせず、メタグロスの腕による防御がなくなった身体を緑色の尾で弾き飛ばした。何の容赦もなくフィールドの外、支えるものがない天空へと放り出す。

「ラティ、キュキュを助けてっ!!」
「ひゅううううあん!!」

 ジェムが咄嗟にメガラティアスを呼び出し、彼女はまっすぐキュウコンの下に飛んでいってその体を乗せフィールドに舞い戻る。ジェムはなりふり構わずキュウコンの体を抱きしめた。いつもは優しい温もりのある柔らかい毛並みが、冷たい大気に晒され空から落されかけ氷タイプの技を受けたわけでもないのにガチガチに凍り付いていた。

「わかるよ、すっごく怖かったよね……死んじゃうって思ったよね……」
「こん……」

 メガラティアスも、キュウコンの傍で『癒しの波動』を使う。とりあえず体の傷は癒えていくが、それでも今の一撃を受けたキュウコンをあのレックウザに立ち向かわせることはジェムには出来ない。しかしすぐボールに戻すのも嫌だった。ジェム自身が空へ放り出された後、ダイバが支えてくれなければきっと怖くて立つことも出来なかったから。なのでジェムはエメラルドに対し提案する。

「エメラルドさん、もうキュキュは戦闘不能扱いでいいし、もうバトルに参加させないから……このまま、出しておいてもいいですか?」
「構わねえぜ。戦うポケモンへのメンタルケアってやつもトレーナーのフロンティアオーナーとして蔑ろには出来ねえしな」
「……ありがとうございます」

 あっさりと認めるエメラルドに一応礼を言い、ジェムはメガレックウザへ視線を戻しながらもキュウコンをしっかりと抱きしめる。いつもは自分が怖かったり寂しくなったときに抱きしめていた体を、今は自分が温める。メガラティアスはそんな主と仲間のポケモンを守るようにメガレックウザと向き合った。メタグロスは必死に戦っていたがまた一つ、そして最後に残った腕も破壊されてフィールドに散らばっていた。ダイバがまるで自分の足もなくなったように膝をつく。

「勝て、ない……レッ
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