127部分:第十一話 孔明、世に出るのことその十三
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第十一話 孔明、世に出るのことその十三
「孔明ちゃんの知識と知恵はかなり大きいですよ」
「あの」
その孔明の言葉だ。
「皆さんと御一緒ですし。これからは」
「これからは?」
「真名で呼んで下さい」
こう一同に言うのであった。
「これからのことは」
「真名で?」
「それでなのか」
「はい、それで御願いします」
こう言うのだった。
「真名で」
「わかった。では真名は何というのだ?」
趙雲が問うてみせた。
「貴殿の真名は」
「朱里です」
孔明は自分の真名を名乗った。
「宜しく御願いしますね」
「わかったのだ」
張飛がその言葉に顔を向けないながらも最初に応えた。
「では鈴々も呼ぶといいうのだ」
「最初から言ってるではないか」
関羽が突っ込みを入れた。
「だから真名を人前で言うのはな」
「いいのだ。それでも呼ぶのだ」
孔明に対してあくまでこう言うのだった。
「いいな。それでなのだ」
「はい、鈴々ちゃん」
孔明はにこりと笑って張飛のその言葉に返した。
「これから御願いしますね」
「わかった。では朱里」
「はい」
「行くのだ。先に」
「わかりました」
二人は隣同士だった。そしてここでナコルルが一同に問うた。
「これから何処に行きますか?」
「そうだな。揚州に行くか」
まずはこう答えた関羽だった。
「しかしその前に曹操殿の領地を通ることになるな」
「曹操さんのですね」
「うむ。だが翠よ」
関羽はここで馬超に顔を向けて問うた。
「わだかまりはあると思うが」
「もう事実がわかったからいいさ」
馬超は微笑んで返した。
「あっちはどう思ってるかわからないけれどな」
「安心しろ。曹操殿はそんなことを気にされる方ではない」
「そうか」
「そうさ。全くな」
「そうか。ならいい」
関羽も馬超の今の言葉を聞いて納得した。
「では行くとするか」
「そうね。曹操ねえ」
舞がその名前を聞いて考える顔を見せていた。
「二つの州を治めている大きな領主さんだったわね」
「袁紹殿の次だ」
また趙雲が話した。
「もっとも孫策殿も広い揚州を治めているがな」
「揚州にも行くがそれでどうだ」
また言う関羽だった。
「長江を見てみたい」
「はい、それでいいと思います」
孔明が最初に関羽に対して答えた。
「見てみないとわからないこともありますから」
「そうですね。それじゃあ曹操さんの領地からその揚州ですね」
香澄が言ってきた。
「そういう道順ですね」
「どんな場所かな」
馬岱は純粋に揚州に期待していた。
「一体」
「それも見るのだ。だから今から行くのだ」
こうしてであった。一行は東に向かった。東にもまた出会いがあるのだった。
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