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魔弾の王と戦姫〜獅子と黒竜の輪廻曲〜
外伝『魔弾と聖剣〜竜具を介して心に問う』―中章
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―60数える間にそこまで放つことを可能にする機械輪廻(サイクル)は、もはやこちらの常識を逸脱している。
どうにかできないものか……逡巡したその時!
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「ちっ!『蜂の大群』か!」
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目に見えるは『赤白い糸状の針』、若しくは、特攻蜂といえばいいのだろうか?幾つもの砲身が備わっている構造が蜂の巣に似ている。故にあれは『蜂巣砲』と呼ばれているはずだ。蜂の巣たる銃口から放たれた『蜂の大群』は、煌炎を目指して無慈悲に突き進んでいく。次々と戦姫旗艦の木端欠片を削り取っていく。まるで『虫』にかじり取られたかのように――
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――蜂巣……フレローリカ――
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――蜂牢……フレロール――
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そして……蜂巣砲――ガトリングガン。
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「戦姫様ああ!赤白い蜂の大群があああ!」
「怯むな!このまま突っ込んでくれ!」
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部下の旺浪する恐怖の声に対し、煌炎はぴしゃりと言い放つ。己の死を主の命令に預けて、ひたすら(オール)をこぐ!
戦姫の操舵を任されたのはこの二名、マドウェイとパーヴェルだ。先ほど言い争っていた時とは打って違い、戦姫の覇気に押されて、己の使命を全うしようとする。初陣とは思えない思い切りの操舵術の良さだ。
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――それでも――
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今のレグニーツァの現状は、蜂の巣をつつかれたような状況だ。
今の我々にとって、あまりにもこの名称は皮肉すぎる。それとも、あの黒船の艦首で女王蜂が、羽音のような銃声をかき鳴らしながら、今を惑う我々を嘲笑っているのだろうか?
二次元である『面』に上乗せした『時間』と『物量』の弾丸嵐が、こちらの戦力を無力化する、そうなる前に手を打たなければ――
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「――陽炎(オストレスク)
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突如として、レグニーツァ精鋭船団は陽炎に包まれる。それと同時に瞬く、圧搾された余剰熱が海水と接触。あたり一面が『海霧(ヘイズ)』となって戦場に散布されていく。※3
?
「煙幕?」
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戦姫の旗艦の者どもは、摩訶不思議な蜃気楼に対して全員そうつぶやいた。
竜の『牙』たる煌炎討鬼(バルグレン)。竜の『息』たる飛炸焔(レグルイフ)。竜の『角』たる突火槍列(プラムオーク)、そして、竜の『粧』たる陽炎(オストレスク)だ。
こちらの文明力では、どれだけ装甲を底上げしたところで『焼石に水』だ。見えない弾速の破壊力を見るところでは、おそらく鉄盾さえも貫通するだろう。完全に防ぐには何枚も重ねる必要がある為、防御という点では伸びしろなど全くない。
この際、こちら側の『被弾率』を破棄。そのかわり、攻撃側である黒船の『命中率』を低下させる。そう判断した戦姫の行動は素早く、何より正しかった。正しさを証明したのは、彼女の戦い前のあの『想い』であるということに間違いないが――
?
――この私が君たちを置いて倒れる気はないし、
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