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魔弾の王と戦姫〜獅子と黒竜の輪廻曲〜
外伝『魔弾と聖剣〜竜具を介して心に問う』―中章
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黒船の予想外な攻撃――鉄塊の魔弾によってこちらの出鼻をいくらくじいて来ようと、ルヴーシュの二つ名『竜の眼光』を鈍らせるには程遠い。そう思い知らせてやる。
竜の眼光――雷禍の閃姫が魅せる奥底の瞳に、敵をひるませる『眼光』がそこにあった。
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「――ヴィッサリオン……この戦いが終わりましたら、ひとまず贈り物をして反応を見てみようかしら?」
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カンセイノホウソク、ザンテツ、モエルミズ、クロフネ、そして、雷禍の戦姫に伝えし『機雷(マイン)』の原理と呼ばれる偽装罠――
様々な概念。数多くの『宝箱』を運んできた『宝船』のような存在。同時に、その卓越した能力ゆえに、彼の存在は黒竜にとっての『脅威』ともとれる。彼の存在は、はたしてジスタートにとっての『希望』なのか。それとも『絶望』なのか。
かつて、聖痕を発掘した太古の偉人は、その両方を詰め込んだ宝箱を、こう命名した。『パンドラの箱』だと※6――
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◇◇◇◇◇
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オステローデ、ルヴ−シュ両軍が黒船撃退へ向けて併走している中、レグニーツァ船団は黒船集団の最後尾へ回り込んでいた。
少数精鋭。黒船集団を目視した第一印象はそれだった。数としては、手の指を折り続けるだけで間に合いそうなくらい―― 
軍議での打ち合わせ通りだ。
黒船の『速度規制』をかけるための――無人船衝突による爆厚消波――要するに機雷戦法だ。
このままいけば、敵はうまくこちらの策に乗ってくれそうだ。この策の発案者は煌炎の姫君。大人しい顔立ちして猛火のような提案内容に、その場にいた全員が息をのんだそうだ。
あとは、直進軌道中の黒船に『旋回』で回り込む。タイミングさえぴたりとはまれば、奴らの尻に火を焚きつけて大慌てさせる様を想像すると、つい笑みが浮かんでしまう。
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首長竜筒砲(アームストロング)といったかな?どうやらあれは左右には『旋回』して射角をとれないようだね……だけど」
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あの射程距離ははっきり言ってバケモノだ。しかし、こちらは自然天然の『風』をつかんでいる以上、運動性は我々が上。同じ『力学』に従うなら、自然原理を従える『黒船』より、自然原理に沿う『木船』のほうが、有利に決まっている。
まずは第一関門、砲門たる『竜の登門』を通過。問題はこれから第二関門、銃筒たる『虎の洞穴』を抜けなければ。
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「……蜂巣砲(ガトリングガン)……あれは少し厄介だ」
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目を瞬いた時が最期だ。まぶたの生理現象さえも認めないかすかな時間。どのような『神弓』と謳われる使い手であろうとも不可能と言われる、『超連射−瞬間16射※1』を可能にする兵器。
軍議にてオステローデ側からもたらされた情報を、最初はこの耳を疑いもしたものだ。
――フンソク200発以上―
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