第一章 天下統一編
第十八話 到来
[3/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
て平伏した。
「気が動転してしまい無礼なことを言ってしまいました。無礼をお許しください。何卒お許しください」
「できない相談です。今日の件は必ず関白殿下にお伝えいたします」
石田三成は織田信雄の頼みをきっぱりと断った。織田信雄は顔を上げると狼狽えた様子で動きを止めていた。
織田信雄がようやく大人しくなった。全ての武将達が居る中で石田三成から許可を貰っておこう。俺が韮山城攻めを継続する許可の言質を取っておかないと、俺のような小身は後で他の武将達に因縁をつけられかねない。
「上使殿、お頼みしたいことがあります!」
俺は座ったまま手を上げ大きな声で石田三成に声をかけた。
石田三成は織田信雄から視線をはずし俺のことを見た。彼は相変わらず俺を無表情のまま見た。
「相模守、何のようだ? 私は忙しい。要件があるならさっさと言え」
石田三成は数日前に会った時の気さくな様子は全く感じられず、聚楽第で一緒に仕事をしていた頃と同じ様子だった。俺は一瞬同一人物なのかと戸惑ったが気を取り直して石田三成に韮山城攻め継続の許可を貰うことにする。
「上使殿、私に城攻めの機会をお与えください。私ならば一月で韮山城を落としてごらんにいれて見せましょう」
「関白殿下から伺っている。猶予は一月。韮山城を落とせなければ切腹してもらう。それで問題ないな」
石田三成は相変わらず事務的に淡々と俺に韮山城攻めの許可を出した。俺は「問題ありません」と即答した。
「何故だ!? 相模守に許可を出して、何故私には許可を出さない」
織田信雄が声を荒げ俺を指刺しながら石田三成を非難した。
「許可を出さないとは言っていない。内大臣、韮山城攻めに失敗した場合に責任を取って切腹するというなら許可を出す。だが、あなたは切腹するつもり意思がない。これでは許可を出せる訳がない」
石田三成はそこで言葉を切り、織田信雄のことを凝視した。その表情は織田信雄と話すことを面倒に感じているように見えた。
「あなたは忘れていないか? あなたには小田原城への参陣命令が出ている。参陣命令を無視し韮山城攻めを続け、それに失敗すれば切腹以外に責任を取る方法はない。相模守は韮山城攻めに失敗すれば潔く切腹すると言っている。あなたはどうなのだ?」
石田三成は織田信雄の我が儘な要求を理路整然に論破した。織田信雄は言葉につまり沈黙してしまった。
「内大臣、どうされるのだ。韮山城攻めに失敗した場合、あなたは切腹をするのか?」
石田三成は冷徹な表情で織田信雄を見下ろした。織田信雄は石田三成へ向けた視線を怖ず怖ずと逸らした。
「関白殿下のご命令通りに小田原城に参陣いたします」
織田信雄は消え入りそうな声で石田
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ