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鉄血のベーオヴォルフズ
第02.5話 青雲の志
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機体性能のみを追求したこともありコストパフォーマンスは劣悪だ。

それをある装備の関係からどうにかグリムゲルデにも装備させようと試行錯誤していたがどうにもそう簡単にはいかないようだ。


「仕方がない、エネルギー経路は完全にブースター専用でセッティングしてくれ―――ああそれと、君にも一緒に来てもらうよ石動。」
「えっ!?どういう事ですか!?」


驚きにその薄月夜色の目を見開く少女―――石動・ネーヴェ。
才媛たる彼女に英才教育を施し、旧時代のMSだろうが最新鋭のMSだろうが万全に整備できる逸材へと育て上げた。

そして彼女ならば――――阿頼耶識搭載機のシステムの本格的な整備が可能だ。そのように育てた。

「君には現地にいる私の仲間―――そのサポートを行ってほしい、阿頼耶識の整備ができるメカニックはそうはいない。」
「……ご命令ならば。」

「不満そうだね。安心したまえ、君の火星での献身はギャラルホルン、地球外縁軌道統制統合艦隊―――引いては兄君のためにもなる。」


しぶしぶといった様子の彼女にモンタークは仮面から唯一伺える口元に微苦笑を浮かべていった。
それにはっとした様子となる。

「兄君には私も恩がある。その大切な妹である君だからこそ信頼して僻地での仕事に勤しんでもらいたいと考えている。要は期待と信頼の表れだと思ってほしい。」


人を操るにはその過去を紐解けばいい。彼女は経済的に困窮を極めるコロニー出身の人間だ。
そんな彼女に真っ当な暮らしをさせるために石動はギャラルホルンへと入隊した。そうでなければ彼女の生活やがて破綻し、春を売るか危険な仕事に従事するぐらいの閉ざされた未来しかなかっただろう。

そこを突けば首を横には触れないはずだ。


「兄さんのために―――お一つ伺ってもいいでしょうか?」
「何なりと。」

「この仕儀を任されるのは代表への報恩となりえますのでしょうか?」
「無論だ。君の働き次第で我が商会の運命は大きく変わるだろう――尊大なことを言えば、これから我々が関わっていく出来事は世界の在り様を変える……いわば革命だ。」

「革命……」
「ああ、厄祭戦以降――ギャラルホルンは世界の平和を守ることに固執し、新しく革新的な技術は常に何らかの形で奪い、独占してきた。
 それによって文明はこの300年間停滞し続けている……人類はこのような場所で足踏みしている場合ではないと私は考えているのだよ。」


グリムゲルデを見上げながらモンタークは言う。技術に貴賤はない。
戦争で生まれた技術が人々の生活の向上を行い、人命を守る。逆に一般で生まれた技術が軍事に使われ戦争の兵器となる―――どちらも有り触れたものだ。
何のために生み出されたかではない、どう使うか―――ただ、
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