第02.5話 青雲の志
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されている。
この手の社会問題は単に規制すれば無くなるという物ではない。
其れを生み出している構造そのものを変えなければ一向に無くならない、規制しても法の目を掻い潜って横行するだけだ。
「しかし、クローンではなくヒューマンデブリを使った人体実験……単なるコスト削減か。それとも――――」
実際問題、単に人体実験を行うだけならクローン培養した人間でも事足りる。教育という手間に培養する施設というコストを加味すればヒューマンデブリを使った方が安く上がるのは確かだが。
元々、長期的な研究をする必要が“無かった”という可能性も浮かんでくる。
「それで、機体のほうは?」
「グレイズが数機、どれも試作段階で破棄された物や戦闘で破損し廃棄処分となった機体などで登録抹消された物ばかりです……こちらから足取りを追うのは難しいでしょう。」
「用意周到な事だ。」
鼻で笑うマクギリス、ここに残っているものはどれもこれも―――もう用済みな物ばかりだ。しかも近日まで施設が稼働していた様子から自分たちの動きは全て把握されていたということだ。
――面白くない。
「ファリド特務二佐!ご報告です。」
「聴こう、どうした?」
新たに近づいてきた監査部の陸戦部隊の一人の報告、其方へ向き直るマクギリス。
「それが奥に奇妙なものが……」
「奇妙なモノ・‥‥?」
歯にきぬ物言いに怪訝に思う。それを察したのか監査部の部下は「こちらです。」とマクギリスと石動を案内した。
「これは……一体。」
人ひとりよりも巨大なカプセル状の何か、それが施設の最深部に存在していた。
「……コールドマシン、それも厄祭戦時代のモノだな。」
石動の驚愕を横にマクギリスはその正体に思い当たる。冷凍冬眠装置―――もとは惑星間航行のために研究が進んだ技術だったはずだ。
惑星間の距離はあまりに遠すぎる、エイハヴリアクターの慣性制御能力の補助を用いない通常の反動推進では人間が活動状態のまま他星への移動など不可能だったからだ。
そしてその用途は他にもある―――過去に於いて不治の病に侵された人間が未来にその治療法が確立されることを願い、未来への旅路に用いるなどだ。
「……蘇生は出来そうか?」
「待ってください……何とかできそうです。」
四苦八苦にコールドマシンのコンソールを操作する部下に問いかける、さすがに300年前の機械と成れば現行の其れとはフォーマットが明らかに異なるし、コールドマシン自体そうそう使われなくなったものだ。操作に難儀するのは仕方がないだろう。
「伝説の機体ガンダムの再びの躍進、そして300年の眠りから覚めた伝説の英雄の復活。―――大人になり切れないものだ
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