ガンダムW
1689話
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もおかしくはないか。
ヒイロに銃口を向けられたまま、俺はゆっくりと移動する。
これが、ヒイロに近付いていったのであれば、向こうも警戒しただろう。
だが、俺はヒイロから距離をとるように離れていき……テラスの手すりの部分に腰を掛けるようにし、改めてヒイロと向かい合う。
「俺を怪しいと思う、お前の態度は正しい。ただでさえ、このサンクキングダムはお花畑の思想を持ってるんだしな」
お花畑という言葉に、ヒイロの持つ銃に若干力が入る。
それを見ながら、笑みを浮かべて言葉を続ける。
「そこで怒る必要はないだろ。実際、完全平和主義なんてお花畑の考えなんだから。……ただまぁ、そのお花畑の考えが支持を集めているのも事実だけどな」
特に現在のように幾つもの勢力が争う戦国時代とも呼ぶべき状態では、戦争に疲れた者達が完全平和主義に傾倒してもおかしくはない。
「ま、それがどこまでやり通せるのか……出来るところまでやってみたらいい。ああ、そうだな。どうしようもなくなったらシャドウミラーに連絡をしてくれれば、雇われてやってもいいぞ」
「やはり……」
俺が口にしたシャドウミラーという言葉に、ヒイロの視線が厳しくなる。
そんなヒイロの様子に笑みを浮かべつつ、言葉を続ける。
「ドロシーに伝えてくれ。俺は先に帰るって……な」
その言葉と共に、俺は意図的に体重を崩して寄り掛かっていた場所から身を乗り出し、地面に落下していく。
まさかこの体勢のまま落下していくとは思わなかったのか、珍しく驚いた表情を浮かべているヒイロの顔が、強く印象に残っていた。
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