第4章:日常と非日常
第103話「陰陽師、式姫とは」
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整え、その欠点をなくせばいいでしょう。」
霊力を用いた戦いで、最も優れているのは奏のようだな。
元々身体強化は得意だし、砲撃魔法や射撃魔法のような技が使えない事以外は大して変わっていないからな。
「少し休憩したらもう一度だ。アリサとすずかはとりあえず自衛の手段として覚えているから、今度は守りを重視してみてくれ。」
「わ、わかったわ...。」
「攻撃は苦手だけど、防御なら...。」
二人共女の子な事には変わりない。椿たちと違って、二人は人を攻撃する事を躊躇う。
それが上達の妨げにもなっているのだろう。...まぁ、そこは仕方ないだろう。
「っ、ぁああ〜!!暑い!疲れたー!」
「...一度休憩しましょうか。」
アリシアの方も一旦休憩に入ったようだ。
...まぁ、確かに暑いからな...。仕方ない、少しサービスするか。
「水属性と風属性の術を合わせて...即席クーラーの出来上がりってな。」
「あ、涼しい...。」
この二つの属性を使った術で“氷血旋風”と言うのがあるが、これはそれを攻撃にならない程度にまで弱めたものだ。
冷たい風を起こしているようなものなので、相当涼しいだろう。
「彼女達は自衛や、誰かを守るために研鑽を積んでいると聞きましたが...貴方はどういった理由で研鑽を積み重ねているのですか?」
「...突然ですね。まぁ...蓮さんと同じ理由ですよ。」
休憩中、蓮さんにいきなりそう聞かれたので、正直に答える。
「私と...?」
「無力を感じた...だから繰り返さないためにも、今度は大丈夫だと胸を張って言えるように、僕は強くなり続けるんです。...そうでしょう?」
「.....なるほど。確かに、私と同じですね...。」
蓮さんは常々真面目すぎる。
だから、無力を感じてずっと研鑽を続けてきたのだろう。
...そう、“無力を感じた”んだ。僕のように。
「......。」
「お互い、頑張りましょう。」
「...そうですね。」
過去に“何か”があった。それも、椿や葵にあった事と同じことが。
...おそらくは、話に出てくる前の主“とこよ”なる人物が関わっているのだろう。
「...敬語はなくて構いませんよ。私も癖とは言え人の事を言えませんが。」
「そう...かな?...気楽に話せるならそっちにするけど...。」
無闇に聞く必要はないだろう。既に過去の事だからな。
そう思いつつ、僕は蓮さんの言葉に甘え、敬語を外す事にした。
「...さて、休憩中も霊力を循環させるようにな。そうすると自然回復も早くなるし。」
「そうね。特にアリシア、霊力を制御するのにも丁度いいのだからそうし
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