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レーヴァティン
第六話 神殿その十一

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「この神殿で祀られている神々は寛容な様だな」
「そうしたことにか」
「そうだ、他にも様々な店があるな」
「ない店の方がないか?」
 店のジャンル的にとだ、久志はあらためて市場を見回して言った。
「ここは」
「そうだな」
「ああ、それこそ何でもあるな」
「服屋も本屋もな」
「色々な服や本が売ってるな」
「そうしたものを見るとだ」
 英雄はこうも言った。
「この神殿に祀られている神々は寛容だ」
「厳しいとお姉ちゃん達がいる店もなくてな」
「服や本もだ」
「色々ないか」
「肌を出すな、異教の本は出すなとな」
「神殿の方があれこれ言ってだよな」
「どうしても味気がなくなる」
「味気には困ってないな」
 服屋の服、派手な色やデザインのものもあるのを見てだ。久志は言った
「とんと」
「そうだな」
「そうしたのを見ればわかるか」
「この神殿の神々は寛容だ」
「そしてその神様達に仕える神官さん達もか」
「寛容な教義の中にいるらしい」
「成程な」
 久志も聞いていて納得した。
「日本の神社みたいなものか」
「近いかも知れないな」
「神様が大勢いてだな」
「多神教なのは間違いない」 
 英雄は神殿、その神々がいるそこを見て述べた。
「そして多神教はだ」
「寛容っていうな」
「その日本の神々の様にな」
「一神教は違うか」
「一神教でもイスラムは寛容だ」
 原理主義はともかくとしてだ、実際にイスラム教の教えはかなり寛容だ。他の宗教も税さえ収めれば認める程だ。
「ユダヤ教やキリスト教の原理主義は違うがな」
「そっちの方がきついよな」
「俺達の世界ではな」
「そうした変な宗派もあるしな」
 久志はキリスト教のそうした者達のことを思い出していた。
「実際にな」
「そうした宗教ではないことは間違いない」
「それはいいことだな」
「全くだ、そうした宗教ならこうはいかない」
「こんな賑やかでもないか」
「厳しい戒律はそれが過ぎるとだ」
 ある程度はいいとして、というのだ。人のモラルを形成するからこそ。
「人が寄らなくなる」
「離れるよな」
「その戒律を避けてな」 
 厳し過ぎるからだというのは言うまでもない。
「そうする」
「まあ俺もそうだな」
 久志は自分のことからも考えて述べた。
「あんまり厳しいとな」
「避けるな」
「部活でも何か馬鹿みたいに顧問が締め付けてるところはな」
「入りたくないな」
「ああ、そうした奴も剣道の世界にはいるんだよ」
 そうした顧問がというのだ。
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