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レーヴァティン
第六話 神殿その九

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「もうここで売ってるものはな」
「あらゆるものがだな」
「高いけれどな」
 それでもというのだ。
「質が抜群にいいな」
「あらゆる職業に対してな」
「いいものが売ってるな」
「俺達直接戦う人間にとってもな」
「魔力が備わってるのもあるみたいだぜ」 
 防具屋を見てだ、久志は言った。
「鎧とか兜でな」
「只の鉄の鎧でなくだな」
「ああ、ミスリル製とかな」
 ミスリル銀、それで造られた防具もあった。鎧や盾、兜といったものが店の中に飾られて値段まで書いてあった。
 値段はあまりにも高い、それこそだった。
「俺達の今の持ち金じゃな」
「二人で払ってもな」
「鎧が精々だな」
「そうだな」
「俺達結構金持ってるつもりなんだけれどな」
「ああした品は別だな」
「馬よりもずっと高いな」
 彼等が買ってここまでの旅に載っていた馬達よりもだった、実際に。
「こんな高いのないだろうな」
「だから魔力が備わっているからだ」
「それでか、やっぱり」
「値が張っている」
 即ち高価だというのだ。
「この通りな」
「こりゃ家が何件でも建ちそうだな」
 久志はミスリルの鎧の値段を見て言った。
「これだけで」
「そうだな、しかしだ」
「高いだけにか」
「身を守ってくれることは間違いない」
「払った金は嘘を吐かない、か」
「それが本物だった場合だがな」
 偽物の危険性もだ、英雄は述べた。
「しかしだ」
「それもだな」
「客が多い、そしてこうした表通りで賑わっている場所ではだ」
「ぼったくった商いも出来ない」
「偽物を売ったりな」
「表に出ているのは信頼出来るか」
「裏よりは遥かにな」
 そうだとだ、英雄は久志に話した。
「だから金に余裕が出来たらだ」
「その時はだな」
「こうした防具も買うべきだ」
 魔力が備わった防具もというのだ。
「それもまた己の身を守ることだからな」
「わかった、そうしたことも考えてだな」
「暫くここにいるべきだ」
 神殿があるこの場所にというのだ。
「わかったな」
「よくな、じゃあここで暫くいることになるな」
「情報を集め金を集める為にな」
 二つの目的、それに為にとだ。英雄は久志に話した。
「そうしていこう」
「わかったぜ、何かな」
「今度は何だ」
「いや、お姉ちゃんのいる店の話しただろ」
 この街に入る時にとだ、久志は英雄にこの話もした。
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