第42話 合宿に向けて?
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「───まぁ、甲斐性もないのに9人も女の子を侍らせている大地は置いといて」
「おい絶壁、今なんつった」
「殴るわよ」
各々が食事を済ませたところでほっと一息。
そんな中、にこは眉間にしわを寄せて。いかにもブチ切れ寸前でそう言う。
流石に「すまん」とだけ言って口を閉じた。
「ったく。大地のせいで話が進まないじゃない。もう10分しか休み時間無いのに」
俺のせいかよ! という文句を押しとどめて、何か言いたげなにこは腕を組み直して視線を今度は穂乃果に向ける。
当の本人は最初だけ話に混ざったかと思うと、もう完全にパンを食べることだけに集中していて、にこから視線を向けられていることに気づいていない。
そして、にこが何が言いたいかを瞬時に察する。それを俺が口にする前に彼女は穂乃果に尋ねる。
「ねぇ穂乃果。昨日のアレ……本気?」
「ふも?」
例のランチでパックなパンを口にくわえながら振り向く姿はもはやいつもの事で、誰もそれについて言及せずに様子見している。
「アレって、”ラブライブ!に参加するよ”って話の事?それならホントだよ!」
「なんで?昨日まで参加を拒んでいたアンタが一晩で心変わりしたみたいに急に参加するって言いだして。理由が気になるんだけど……」
「理由……」
理由と言われて黙り込む。
大好きなパンですら、机の上に置いて暗くなる彼女を見て、にこは『なにかあった』と瞬時に察したように見える。
「そうだね。穂乃果にも負けられない理由ができた、っていうのが理由だよ」
「負けられない、理由……」
穂乃果の言葉を反芻するように復唱する。
「……穂乃果は、ここで足踏みしているわけにはいかないんだってことを昨日思い知ったんだ。失敗するのが怖くてずっと立ち止まっていたいって思ってた。思い出作りの為にスクールアイドルやったっていいじゃないって」
穂乃果は以前失敗した。
失敗する怖さを味わった。ことりとすれ違い、周りの景色を無視してただひたすらに目標だけを達成するために。
実際失敗して、生み出したのは亀裂と後悔だけであとは後退。
「でもね、穂乃果は失敗しても自分の思い通りの結果にならなくても諦めずに何かを成し遂げようとしている人を見てきた」
それは、穂乃果が辞めても続けていたにこ、凛、花陽。
喧嘩しても穂乃果を見捨てようとしなかった海未。
みんなと進む道じゃなくて、将来の夢を叶えるために一人の道を進もうとしたことり。
どうしてもみんなとスクールアイドルを続けたくて裏で必死に動いていた絵里に希。
そして……
転校しても尚、救いたいという想いを募らせ、空
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ