第42話 合宿に向けて?
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し、でも指の隙間からちらちら見える瞳が俺の方を見ているし。
そして何故か真姫や凛、にこ、それに希を除いた全員が俺の方を睨んでいる。
「わ、ワルカッタヨ! ことりの気持ちに気づいてやれなくて! 申し訳ないって思ってるさ!」
「や、そこじゃないでしょアンタの気づくべきことは」
え? と矢澤パイセンに指摘されて眉をひそめる。
「何に気づいてないっていうんだよ」
「えぇ? あーこの状況で気づいていないならいいわ。鈍感おじさん」
「おい、おじさんは聞き捨てならねぇぞ」
呆れにも似たため息を大きくこぼしながら、水性ペンをホワイトボードに貼り付け、そのままどかりと自分の席に座る我が部長。
周りを見渡してもやたら残念なものを見るかのような視線で俺を見るから、俺が悪い事でもしたのか錯覚してしまう。
「まぁいいや。とにかくことり、後で時間作ってもらえない?部費の管理について色々教えて欲しいんだが」
「それは構わないけど……え?なんで?」
「そりゃあ色々とことりに任せっぱなしだし、これじゃあ俺のいる意味なくなっちまうからこういう裏方の仕事は俺に任せて欲しいという見栄を張りたいだけ」
話をそらしながら本題へと華麗に戻す。
「え?あれ?」
「ん?どうした?」
が、しかし。
俺とことりの間に何か齟齬が生じていたらしく、ことりは書類と俺の顔を交互に見比べている。
そしてとある結論に至ったのか、『もしかして』という表情で俺の方を再度見る。
「その、もしかしってさっきに『付き合って』というのは……そういうこと?」
「ことりが何を考えてたのかは知らないけど、そういう事。部費の管理の仕方を教えて欲しいからという理由で───」
言いかけたところでことりは今日一番の盛大なため息をこぼす。
まるで『うわぁ私勘違いしてたようわぁ』とでも思っていそうな大きなため息。
一体何を勘違いしていたのか気になるところではあるが、俺の経験上むやみに尋ねると地雷を踏みかねない。ここは穏便に流そう、という結論に至った。
「ま、まぁ勘違いは誰にでもあるからな。気にすることじゃないぞ、多分」
「鈍感」
ことりに真顔でそう言われ、ダイレクトに心へと突き刺さった。
悪いことも間違ったことはしていない……はず。むしろみんなの為を思っての提案のどこに間違いなどあるのだろうか……。
つまり、そう言われるのは甚だ遺憾である。
「うん、知ってたよ。みんな大地くんがこういう男の子だってことは」
「おい、こういうってどういう事だよ。って待て、みんなあからさまに納得して頷いてるんじゃねぇぞ」
〜☆〜
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