第42話 合宿に向けて?
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備をするために決まってるじゃない!」
「具体的には?」
「それは〜……」
途中で言いかけて言葉が止まる。
視線を宙に泳がせる絵里を放っておいて、いざ合宿をするとして何をすべきか具体的な案を模索する。
模索し始めてすぐに浮かんだのは今回の新規ルールの一部。
”現存する楽曲の利用は認めない”というルールがあるのでまた一から新曲を作る必要がある。とはいえあまり時間もない。作詞、作曲、振り付け……それらを考えた上で更に数曲を考案しなければならない。
つまり合宿でやることは……と、考えたところである程度の予定は決まった。
ただし、それを実行するとは言っていない。
「まぁ、まずは日にちと場所を決めてからだよな。やることなんてそれから決めればいいわけだし」
「前回は海だったから、今回は山かにゃ?」
「……海未は私ですが?」
「そういうボケはいいから、つか海未も海未でそれ気に入ってるだろ」
いつぞやの真姫の別荘(正確には数ある別荘の一つ)で披露した無意識で渾身なボケを、今回は狙ってぶち込んできた。しかし、”今回も”見事に一蹴される始末。
落ち込んでがっくりと肩を落とす彼女を完全無視して話題を引き戻す。
「まぁ、無難に山でいいんじゃないか? もう少しで涼しくなるし、この時期海って結構辛いんじゃね?」
「そうね、どこか合宿できそうな施設はあると思うし、来月上旬あたりに行うと考えても今週中には具体案を決めておきたいわね」
「いや、ちょっと待ちなさいよ」
「と、ここで我がスクールアイドル研究部のマスコットキャラクターである矢澤にこが申し出る???」
「どぅあ〜れがマスコットキャラよ!!! それに変なナレーション入れなくていいから!!」
流石にこれ以上弄っても先には進まないので、肩をすくめておとなしく行き先を見守る。
いつもの定位置についたにこは、背後のホワイトボードをくるりと一回転し、真っ白なそれにすらすらと文字を書き連ねていく。
「本気で話し合うならこうしてまとめた方がわかりやすいでしょ?」
なんともわざとらしい言い訳を言っては、今出た意見を丁寧にまとめるあたり、流石部長だと思う。
場所、決行日、持ち物、資金、合宿時にすることなどをまとめた上で、それを自分のスマホでスクショしていた。
「まぁ、こんなもんでしょ。これを明日でにも大地が現地に連絡してくれればオッケーね」
「や、俺?」
「当たり前でしょう?サポート役としてのお仕事よ」
ぴょこんとお下げを揺らしながら腰に手をあてるにこ。
まぁ別にそれは構わないが、と思いかけたところでふと、とあることを思い出してそれをそのまま口にした。
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