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とある世界の物質破壊≪ディストラクション≫
僕が殺される日 前編
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ってくる研究員を止めようと動こうとした。

「駄目だ!僕は平気だから母さんを頼んだ!」

──今美琴が動いたら間違いなく殺される…!

母さんは美琴を抑えて、研究員から守ろうとしていた。

「美琴ちゃん、私から離れちゃ駄目!」

「でも……!」

「慌てなくていい。」

僕が入ってきた入口と反対から父さんが入ってきた。

「聖さん…!これはいったい…!」

「何、化け物を消そうとしてるだけさ。夢唯も知っているだろう?コイツを生かしておいたらいけない事ぐらい。」

「みな兄のお父さん……?」

「美琴ちゃん、あの化け物が死んだあと、夢唯と君も殺してあげるから待っていなさい。」

「ひじり…さん…?」

「化け物の味方をしたんだ、当たり前だろう?」

僕は研究員を倒しながら、今すぐにでもキレそうな勢いだった。

──ふざけんな、ふざけんな……父さんは……あの人は関係の無い2人を殺そうとしてるのか?

何も悪くないあの2人を……?

「……けんなよ。」

「なんだ?」

「ふざけんな!」

僕は、研究員を倒し父さんに向かって走った。

「僕だけで十分だろ!何で2人まで殺す必要が……」

バンッ

「え……?」

僕は自分が撃たれたのかと思って身体を見た。

だが、どこにも外傷は無い。

「みな兄のお母さん……!?」

「みこと…ちゃん…大丈夫…だった…?」

──何が起きた…?

僕は当たりを見回した。

「あ……。」

一人、動ける人が残っていた。

僕が父さんの所に向かった走った時にこの部屋に来た人だろう。

ここにいる研究員は動けなくしているだけで、誰も死んでいない。

でも、入口近くにいるあの男は撃った。

──誰に?

『みこと…ちゃん…大丈夫…だった…?』

美琴を殺そうとした?

それを母さんが守った…?

「夢唯、君は本当に優しい人だ。この状況でも君は美琴ちゃんだけでなく、この化け物までも守ろうと考えているのだろう?」

父さんは僕の横を通り過ぎ、母さんのもとに歩いていく。

「そうよ…湊は…私の"息子"よ?守って…当然じゃない…美琴ちゃんだって…娘のような…存在なんだから…それは聖さんも同じでしょ…?」

母さんは呼吸を荒くしながら話す。

美琴は父さんから母さんを守るように前に立った。

「みな兄のお父さんが…何を考えいるのか私には分からないけど…みな兄のお母さんは私が守る…!」

震えながらも父さんの前に立ちはだかる美琴。

──駄目だ、今の父さんは美琴を……!

「美琴、母さん伏せろー!」

僕は右手で電撃を作り、父さんに向けて投げた。
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