ガンダムW
1688話
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サンクキングダムに派遣されていたOZのMSを見たその日の夜……俺はまだサンクキングダムにいた。
いや、別にもうピースミリオンに帰っても良かったんだけど、半ば強引にドロシーにこのホテルに泊まるように勧められたんだよな。
まぁ、別に1日くらいならいいかって事で、こうしてホテルのベッドに寝っ転がってTVを見ているんだが。
現在TVでやっているのは、今日見たMSがサンクキングダムにいた理由……リリーナと各国使節との間で行われた会談についてのニュースだった。
多少はTV局の都合がいいように内容は変えられてるんだろうが、それでもサンクキングダムと周辺国家の間には強固な信頼関係があるのは間違いないらしい。
窓の外から入ってくる夕日を眩しく思いながらTVを見ていると……不意に部屋の扉がノックされる。
「誰だ? 別にルームサービスは頼んでないが?」
そもそも、このホテルに泊まる為の料金はドロシーが出している。
何を考えて俺にそこまで固執するのかは分からないが、それでも更にそこからドロシーに奢って貰うような真似をするつもりはない。
「私よ、デュオ」
だが、扉の向こう側から聞こえてきたのは、そのドロシーの声だった。
「ドロシーか? 入ってくれ」
そう言うと扉を開けて、ドロシーが姿を現す。……何故か着ている服が学校の制服からパーティドレスに変わっていたが。
そして手には大きめの紙袋を持っている。
……何だ? 微妙に嫌な予感がするんだが。
「はい、これ」
そう言い、ドロシーは部屋の中に入ってくると俺に向かって紙袋を差し出す。
「何だ、これは」
「何って、タキシードよ。まさか、その格好のままでパーティに参加する訳にはいかないでしょ?」
「待て、待て待て待て。いきなり何を言ってるんだ? パーティ? 一体何のパーティだよ? そもそも、パーティに参加するなんてのは初耳だぞ?」
「あら、そうだった? ……そのパーティよ」
ドロシーの視線が向けられているのは、TV。そこではサンクキングダムが今日会談を行った友好国の使節を招待してパーティを開くとリポーターが言っている。
「……このパーティに俺が?」
「そうよ」
「何でだよ」
「私もリリーナ様に招待されたのだけれど、こういうパーティは普通エスコート役と一緒に参加するものでしょう? けど、残念ながらこの国には男の人が多くないのよ。そういうところに、丁度デュオが現れたんだから……分かるでしょ?」
「いや、そもそもパーティに招待されたのはドロシーだけだろ? 全く関係のない俺を連れていくのは、正直どうかと思うぞ」
「いいのよ。私のエスコート役だと言えば、文句は出ないだろうし。ほら、早く着替えて頂戴。もうあまり時間がないんだから」
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