The fate episode
Epilogue
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タを良き団長にするために生きてきたんだ。死ぬのが本望。これから別のところで生きよう、なんて気にはさらさらならない。
「吐くのなら、もう少し面白い冗談にしとけ。まあ今は良いか。先に依頼について話そうか」
俺は暫く考えて、そう言えばシルヴァとソフィアを連れ戻すように言われていたことを思い出した。
「報酬はどうするんだ?」
「良いや。どうせ全部ジータに会う為にやってきたんだ。今や何も必要じゃない」
目的は果たされた。
「そうか。じゃあ団に入るってことは?」
「ああ……次の港に着いたら降りるよ」
「何だ、この団が気に入らなかったか?」
バザラガが軽い口調で言えば、俺は呆れてしまう。
「入りたくないって言えば嘘になる。けどな、こんなにどんぱちやった後に誰が仲間に入れてください、なんて言って了承してくれるよ」
そりゃ、俺だってジータが率いる団に入りたい。彼女に明言したことはないが、それが俺にとっての夢だったんだから。
「少なからず、あいつらはそうだろうな」
バザラガがゼタに視線を向けると、ゼタは溜息をつきながら扉を開けた。そうすれば扉に寄りかかっていたのか、何人もの団員が室内へ倒れ込んでくる。女性はジータやコルワ、ベアトリクスといった所から名前を覚えていない人まで。男もガンダゴウザを始めとする兵どもが折り重なりつつ此方に顔を向け、申し訳なさそうに笑っている。
「何してんだか」
ゼタがため息混じりに零す。
「そりゃどんぱちやったが、仲間になるとしたら随分とまあ頼もしい奴じゃねえか」
人の山の下の方からくぐもった男の声が響く。山の間から伸びた腕が声の主であることを主張するように左右に振られている。
「戦闘員が欲しいのか? なら傭兵を雇えば良い」
「そうじゃねえよ。絶対に団長を、ひいては団を裏切らない仲間が欲しいんだよ」
結構格好いいことを言った腕はその後痛いだとか苦しいなんかと喚いてから動かなくなった。大丈夫だろうか。
「ジータを裏切らないことと団を裏切らないことは違うだろう?」
それがジータの為であると判断すれば、俺は他の団員を容易に見捨てるだろう。
「じゃあ安心ね。団長さんが私達を裏切ることはないから」
山の上で小さな少女が声を上げる。齢は十二かそこらだろうか。純粋にジータを信じ切っているようだ。
「団長は団に生きるものじゃあない」
もしジータが本当の目的を忘れ、ただ自身が作った団に縛られるというのなら我慢ならない。
「御尤も。然しながらこの団は団長によって団たり得ている」
山の下の方で、右頬に大きな古傷のある青年が声を上げる。
「団に入ったのではなくジータに集ったのか」
団ありきで人が増えたのではない。確かに団という形となり体系化しているが、本質的は仲間なのだ。団があるから仲間ではな
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