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二人の騎空士
The fate episode
Epilogue
進行度 3/4
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る時間だった。
「何してるの!」
 ジータの声が聞こえてくる。既に瞼は開けられず口も満足に開けないので、ただ聞くだけだ。気絶しないような殴り方を知っているのは流石と言おうか、はたまた呆れるべきか。
「ガンダゴウザ、聞いているの!」
「さて、団長、貴方はやめるか」
 ジータの発言を無視し、ガンダゴウザは語りかける。
「何を」
「皆の者! お前たちを痛めつけた悪鬼はこやつぞ!」
 おそらくガンダゴウザが俺の首根っこを掴み上げて持ち上げた。
「やめて!」
「皆が見ていたように、儂に殴られたこやつは既に死に体よ。こやつを更に痛めつけたいというものはおるか?」
 暫しの無言。
「おらんようじゃな」
 ガンダゴウザの声が聴こえると同時、俺は地面と落とされた。
「アンタも大変ね」
 近くでメーテラの声が聴こえる。大きなお世話だ。
「どういう事よ、これ」
 ジータの困惑した声が響く。それに答えるのはコルワの声だった。
「これで裁かれるべき人間に正しい裁きは下った。じゃあ、団長さん。貴方は今、辞めたいの?」
 ……本当に難儀なものだ。ジータに納得できるような状態を作るまでにこれだけの道のりが必要だった。
「私は」
「辞めるなら結構。団員として残ってもいいわよ」
「私は……」
「その男を連れて何処かへ消えてもいいわ」
「私は…………」
「私達は私達で生きるから」
「私は! 団長でありづつけたい!」
 ジータの絶叫が耳朶を満たす。安心して力が抜ける。
「それでこそ私達の団長よ」
 コルワの嬉しそうな声を聞きながら、俺は自身の意識が薄れていくのを感じた。
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