The fate episode
Epilogue
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わ」
そう言うとメーテラは入り口の方へ向かい、後ろ手を振りながら出ていった。
「あの様子じゃ、今日の夜は荒れるわね」
団員達の前の方で、エルーンの女性団員が溜息を零す。俺はその団員からすぐに視線を移した。今、あの団員は何処にでもいる女性のようだが、あの日は違っていた。
彼女の腕は細く、戦闘に向いたそれではない。武器も特にこれといった名物でもなかった。技術という面で見ても明らかに団内で劣っている。致し方ながら、厄介さ、で言うならば相当なものだった。
あれは妄執と言っても差し支えなかった。俺の元へ彼女が戦いに来たとき、俺は直ぐ様武器を落とさせた。彼女は直ぐ様武器を拾おうとしたが、俺はその脇腹を蹴り飛ばした。容赦はしたが遠慮はしなかった。加護も見たところなかったから、下手をすれば内蔵にも怪我を負っていただろう。普通の人間であれば立ち上がれなくて当たり前。下手をすれば数日は起き上がれない。
しかし彼女は数十秒の後、起き上がった。俺は次も遠慮なく顔面を軽く殴り、体制を崩させてから肋を折るほどの力で回し蹴りをした。
次は十秒も経たぬ内、彼女は起き上がった。あの時、俺はマルドゥークのせいで何も感情を抱いてはいなかったが、もし今改めて対峙しあの妄執を彼女が見せたとしたら、俺は少し臆するだろう。
結局あの後彼女は左足に短剣を刺されるまで立ち上がった。何が彼女をそこまで突き動かしたかは分からないが、あまり好きになれるような性格ではないことは言えそうだ。
「グランの処分は一存するわ」
エルーンの女性がいえば、ジータは眉根を寄せた。
「今、その話はしていない」
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