The fate episode
Epilogue
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すつもりもないのに戦ったのか、と問うているのだ」
「殺すつもりは」
「あったとは言わせないぞ。ククルの銃を握った際も、その前の次元断も、団長を殺すつもりなんてなかっただろう」
シルヴァに視線を向ければ、鋭い視線を返されるだけだった。
「極めつけには、人質にする際シルヴァに殺さないから安心するように言う始末」
バザラガがそう言えば、シルヴァはばつが悪そうに視線を外した。戦闘員が人質にされたとなれば立つ瀬もないか。
「ついでにカレンが泣きながら出ていった理由もお教え願いたいな」
目を瞑って思案する。先程、カレンには全てを離してしまっていた。団員云々ではなく、ジータを本気で心配する姿に口が滑ってしまったのだが、どうせカレンの口から他に漏れるだろうしここで黙る道理もないか。
「ジータは、ずっと自分を責めていただろう」
「ああ。聞いたところ、一年前の出来事で魘される事が多々あったらしい。カレンもそれを目撃している」
傍で眠るジータを見やる。見捨てたと声高らかに言っていたがそれは自分に言い聞かせていただけだ。彼女は見捨てられるほど大人じゃない。
「ジータは心の奥底では俺が生きていると思っていた。そうして見捨ててしまったという罪の意識から、俺が彼女を強く憎んでいると思い込んだ。俺がいつかジータの元へ訪れ、罪を裁いてくれると願っていた」
「いやに断定するな」
「十年以上の長い付き合いだ。分かるさ。それとも、違うと断定する何かがあったか?」
バザラガは首を横に振った。
「いいや。お前が昏睡中に団長に話を聞いた限り、全く同じように思っていたらしい」
ため息を吐く。流石はジータだ。優しい。優しすぎる。嘗てはその優しさに惹かれ彼女の団で共に旅をしたいと願っていた。
「そしてそれは根が深い。俺が会いに来て恨んでいない、なんて一言放ったところでその傷は癒えやしない。寧ろ俺にさえも嘘を吐かれているのではないかという疑心暗鬼に陥る」
「……続けろ」
「だから本気で殺し合いを演じる必要があった。そうしてその上で、先言った罪の意識に裁かれるのではなく、団長として俺を殺害しこの問題を彼女の中で正当化させ終わらせる必要があった」
「だから全団員と戦ったのか」
バザラガの問いに、俺は「それだけじゃない」と返した。視線をバザラガとシルヴァ交互に移す。
「確かに、団員を負傷させる事によって団長として俺を殺害させるように働かせかける部分もあった。しかしながらただ単純に、ジータが率いる団を見てみたかったんだ」
「どういう事だ?」
シルヴァが此方に問いかける。
「俺にとって、ジータは大切な仲間だった。ジータの団員達がどんなやつか見極めたかったんだよ。これは、まあシルヴァが人質に取れたこともあって咄嗟に思いついたんだが上手くいったよ」
「軽々し
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