The fate episode
Epilogue
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「莫迦みたい。つまり、貴方はそもそも団長に殺される為に戦った、ってこと?」
目の前で呆れ顔の少女……確か、名前はカレンだったかがため息を吐く。赤髪に赤眼、服も赤まで揃えた見ようによっては奇妙な少女は、視線を自身の直ぐ隣へ向けた。そこには黄色髪の少女が寝台に突っ伏すように眠っている。
「莫迦らしい。ほんっと莫迦らしい」
カレンは隣の少女と俺とを交互に見ながら、またため息を吐いた。彼女の隣で眠っているのは年若いと言えども彼女が在籍する団の団長であり、実力も数段かけ離れているのだがそんな事はお構いないようだ。
「莫迦らしくて何も言えないから出てく! じゃあね!」
カレンは荒々しく椅子から立ち上がると、扉を開けて外へ出ていった。立ち上がる際に乱暴に扱われた椅子が、カレンが乱暴に閉じた扉と同時に倒れる。
それから数分後、扉を開けて入ってきたのは戦闘時でもないのに頭部を兜で覆った男、バザラガと銀髪長身の女性、シルヴァであった。
「グラン、目覚めたか」
バザラガが此方を認めると言葉を放つ。
「ええ。お陰様で。あれから何日経ちました?」
皮肉を込めて返せば、隣のシルヴァは面白くなさそうに眉を顰める。
「四日だ」
バザラガが返した言葉に、今度は此方がため息をこぼす番だった。そんなに眠っていたのか。
ジ・オーダ・グランデ戦の最中、俺は意識を失った。その後、気づけばこの密室に治療を受けた上で拘束され寝台に寝させられていたのだ。
先程目覚めた時、傍には目の下を隈で黒くしたジータと、無表情で俺を見下ろすカレンとが居た。カレンはジータを起こすことなく俺への事情聴取を済ませると、此方の質問には何一つ答えることなく出ていったのだ。
「まずは治療に感謝をしておきましょうか。それで、何故生かしたんです? 盛大に処刑でも行うんですか?」
密室とは言えど、この場所がジータ達が保有している騎空艇グランサイファーの内部であることは分かる。それも航行中だ。
「そのような意見もある。だが、決定はしてない」
僅かばかり緊張する。戦闘によって死ぬのはまだしも処刑となるといい気分は当然しない。もしそれが拷問の末に、となれば正直な話恐怖心もある。
「そんなに構えるな」
そう言うとバザラガは先程カレンが立ち上がる際倒した椅子を立て直し、そこに座った。シルヴァは入り口付近に陣取っている。彼女の腰には小さめの銃が佩用されていた。固定はされておらず、直ぐ様抜いて発砲できるようになっている。
「取り敢えず質問といこう」
シルヴァの装備を見ていた俺にバザラガは声をかける。
「何か」
「何故、我々に敵対した」
俺が沈黙を続ければ、バザラガは隣で眠るジータに視線を向けた。
「団長、ルリア、カタリナから一年前の出来事の顛末は聞いている。その上で、何故殺
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