第三十九話 おぢばがえりその二十
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「車はいいのよ」
「あるに越したことないですね」
「絶対にね、ただ阿波野君も考えてるわね」
「何をですか?」
「だからお家のことをよ」
そんなこと考える様な子ってイメージがなかったからです。何処までもいい加減で適当な子だと思っていたら。
「ちゃんと考えてるのね」
「そりゃお買いものとかありますから」
「お家のね」
「ですから思いました、僕が免許取って」
そしてというのです。
「家族を乗せてって」
「いいことね、本当に教会や布教所はね」
「車がないとですね」
「もう何も出来ないから」
「だから余計にですね」
「阿波野君が教会長さんになりたいなら」
私はあえて阿波野君に言いました。
「車の免許は取っておいてね」
「そちらも必要ですね」
「おみちにはね」
「わかりました、じゃあいよいよ」
「真柱様の閉会ご挨拶にね」
神殿本部の南の礼拝場への出入り口で行われます。実は真柱様は身近でお姿を見たことが何回かあります。奥華にはお供えのメロンを拝借しようとして前真柱様にこれ、と止められた方がおられると聞いています。
「花火もね」
「いつも花火が楽しみなんですよね」
「そうよね、この十日間ずっと花火が上がって」
夜にはです。
「この日もね」
「それが楽しみなんです」
「最後の花火が」
「これもまた」
「じゃあこの十日の間は」
「いいですよね」
毎年、という感じの返事でした。
「夏は暑いのが苦手ですけれど」
「神戸は涼しいけれどね」
私の実家の教会があるそこはです、本当に涼しいです。ですがおぢばといいますか奈良は盆地ですから。
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