第3話<珍道中の始まり>
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へ、いきなり行くのは抵抗がある。
もちろん私が海軍にいることは親も知っている。しかし息子は良いとしても、いきなりセーラー服を着た女の子(軍服に見えぬ)を3人もゾロゾロ連れて戻ったら母親もビックリだろうな。
「本当に宜しいですか?」
念を押すように聞いて来る日向。
「ああ、ここまで話が進んだら腹をくくるしかない」
私は帽子を被り直した。
改めて日向が尋ねる。
「ご実家は、どちらでしょうか?」
「えっと境港の駅に近い郵便局の通りだ。場所は……説明し難いな」
すると彼女は助手席を見た。
「寛代さん、分かりますか」
「……」
彼女は黙って頷いた。なるほど索敵に強いこの艦娘は地図で私の実家の情報まで持っているようだ。やはり重宝する。連れて来て正解だったな。
「まさか祥高さんは、ココまで見越していたのかな?」
それが本当なら彼女は軍師だ。
夕立が言う。
「いきなり実家へ行って、留守っぽくないっぽい?」
変な日本語だな。私は応える。
「ここは田舎だからアポ無しで突然訪問しても誰かは居るだろう」
「そうなの?」
そうか、夕立は人間の文化は知らないよな。
「ああ、そういうものだ」
軍用車は高尾山を間近に見ながら、どんどん旧市街へ入って行った。
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