SIDE:A
第十五話
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さらにさらに、ダメ押しとばかりに俺には超チートアイテムの【創造忍術ノート】がある。これは大学ノートのような本で、そこに書いた『設定』が忍術として扱えるというチートアイテムなのだ。いわば、ドラ〇もんの秘密道具の一つである『魔法辞典』のようなもの。転生得点で一番のアタリだと思う。
三歳でクーちゃんを使い魔にして、五歳で上忍以上の実力に育ち、八歳で現火影である父さん相手に模擬戦とはいえ勝てるようになる。努力すればするほど強くなるのだからもう毎日が楽しくて仕方ない。その結果、増長しちゃうのも無理はないと思うんだ、うん。
話は冒頭に戻り十日前のこと。天狗になっていた俺は嘗てないほどの万能感に満ち溢れていた。
その日、新たな忍術も習得した俺は気を良くしてクーちゃんにこんなことを言ったのだ。
『俺もそろそろクーちゃんに勝てちゃうんじゃない? ここ最近の模擬戦でも結構いい線いってるしサ!』
『ハッ、確かに少々良い動きをするようになったが、童からすればまだまだ赤子同然よ』
『えー本当でござるかぁ? 俺も結構強くなってるし、気を抜いたらクーちゃん負けちゃうかもよ〜?』
『……ちと、最近の主は慢心がすぎるのぅ。どれ、そろそろその天狗になった鼻をへし折ってやるとするか』
『はん! 俺を今までの俺だと思うなよクーちゃん! 男子三日会わざれば刮目して見よ、俺の実力も日進月歩で進んでいるんだ。こんなはずじゃなかったって言い訳は聞かないからな』
『ほほっ、一丁前に言うようになったの。では、もしも。あり得ぬ話じゃが、も・し・も! 童に一撃を入れることができた暁には褒美を与えてしんぜよう。精々気張ることじゃな』
そんな言い合いの元、始まった模擬戦。その時の戦いは今思い出しても赤面モノで、ぶっちゃけ結論から言わせてもらうと一蹴にされた。
これまでクーちゃんとは数え切れないほど拳を交えてきたが、あの時の彼女はこれまでの比ではなく。俺の知っているクーちゃんを戦闘力千だとすると、あの時のクーちゃんは二段階進化を済ませた最終形態バージョンで戦闘力は一万。まさに月とスッポンの如く絶対的な力の差があったのだ。
拳を構えるどころかクーちゃんの気当たりで意識を刈り取られた俺は、有頂天になっていた自分を酷く恥じた。そしてもう一度自分を鍛え直そうと決意したのだ。
んで、父さんに何かいいアドバイスがないか聞いたところ「あまりおススメ出来ないが……」という枕詞とともに紹介されたのが、ここ第四十四演習場『死の森』でのサバイバル生活だった。
「父さんも子供の頃、親父――ハルトのお爺ちゃんに森の中に放り込まれてサバイバル生活を強いられたものだよ。自然の中に身を
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