SIDE:A
第十五話
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燦々と照り付ける日光を浴びながら涼やかな小川に足を浸す。
少し進むと深い場所があり太ももの辺りまで水かさが増す。パンツ一丁のため衣服が濡れる心配はしなくて済むな。
下着が濡れるのも構わず腰を落とし、仰向けの姿勢になる。浮力で体が浮かび、のんびりと朝日に照らされながら水の流れに身を任せる。
「あー、気持ちいいなぁ〜……」
第三者からすれば気が抜けているように見えるだろうが、とんでもない。ここでは一瞬の慢心が死に繋がる場所だ。ある程度気を緩めておきながら、それでも周囲の警戒を怠らないという気の抜き方をしているのだ。ここで一週間も過ごせばそのくらいのことは息をするように出来るようになった。
今、俺は第四十四演習場に居る。ここは別名、死の森と呼ばれる立ち入り禁止区域であり、もちろん俺はちゃんと滞在許可をパパンから貰っている。
この演習場は普段から立ち入りを許さないようにフェンスで囲まれており、森を縦断するように小川が流れている。森の中心部には塔があり、よく中忍試験などで活用されているらしい。
なぜここが立ち入り禁止区域なのか、まあ『死の森』という別名を聞けばわかると思うが、ここには獰猛な猛獣や毒虫、毒草などが生息しており一般人が立ち入るとまずお陀仏だ。
そんな危険な場所に何故いるのか。しかもただ居るのではない。俺はもうかれこれ一週間ここでサバイバル生活を送っているのだ! 予定では今月いっぱいまで。あと二十二日!
† † †
事の発端は今から丁度十日前のことだ。
アカデミーに入学して早一年。九歳になった俺は、自身の成長っぷりに有頂天になっていた。
術の開発や鍛錬がもはや日常の一コマと化してしまい、どこかの熱血激眉師匠のように修行が生き甲斐――とまではいかないが、ライフワークになってしまった。
転生特典である【努力するほど成長できる才能】のおかげで努力すればするほど成長していくのが実感できるため修業が楽しいのだ。しかも特典の【超人的な肉体】とある通り、この体のスペックは底が見えない。治癒力も高いし、体も丈夫。無茶な修行をしても乗り切れてしまうのだ。
さらには忍術の修行でも得点の【膨大なチャクラ(九尾相当)】と【創造忍術ノート】がめっちゃ役に立つ。九尾相当のチャクラのおかげでエネルギー切れし難いからバンバン術を使えるし、【超人的な肉体】のスペックに入るのかどうか分からないけれど、俺の形質変化が全属性という意味不明な適正なのだ。全属性の忍術が使えるというわけである。もちろん得意不得意はあるが、これで燃えないわけがない。
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