暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と悩める画家
第二幕その二

[8]前話 [2]次話
「そしてもう一歩ね」
「先生も踏み出すべきね」
「どう?今度は二人でね」
 老馬は先生に笑顔でアドバイスしました。
「美術館に行ってきたら?」
「私達は留守番してるわよ」
 ポリネシアも気を利かせます。
「研究室なりお家でね」
「そうそう、たまには二人でね」
 ダブダブもわかっています。
「行ってきたら?美術館でも」
「美術館は最高のデートスポットの一つっていうし」
 ホワイティは他の皆よりはっきりと言いました。
「いいんじゃないかな」
「そうそう、美術館だけじゃないけれどね」
 トートーは学園内の他の施設のお話も入れました。
「あそこが一番いい場所かな、お二人で行くには」
「先生、どうかな」
 ジップは先生にじかに尋ねました。
「今度はお二人でね」
「悪くないと思うわよ」 
 ガブガブの口調はお母さんみたいでした。
「ここで新たな一歩よ」
「まずは踏み出さないとね」
「先生からもね」
 オシツオサレツも思わせぶりな口調です。
「だからね、ここはね」
「先生の方からとか」
「ほら、先生の近くにおられるよ」
 チーチーが最後に言いました。
「ちゃんとね」
「二人?僕はいつも皆と一緒じゃないか」
 先生は皆のその言葉にきょとんとして返しました。
「二人だけって言われても王子もトミーもね」
「いや、僕じゃないですよ」
 トミーは先生の今のお言葉に慌てて言いました。
「僕でも王子でもないですよ」
「じゃあサラかな」
「何でサラさんですか?」
「だって時々日本に来ているからね」
 そうして先生とお会いしているからというのです。
「だからね」
「サラさんでもないですよ」
「じゃあ誰かな」
「というかそんなのですと」
 流石にトミーも返事に困りました、お箸を動かしているその手も止まっています。トミーも先生もお箸を上手に使っています。
「大変ですね」
「大変?」
「はい、あの人が」
「あの人って誰かな」
「まあそのうち気付いて下さい」
「そのうちなんだ」
「僕も是非って思ってますから」
 トミーもわかっています、あの人のことは。
「ですから」
「それでなんだ」
「先生も頑張って下さいね」
「一歩かな」
「そう、一歩です」
「何の一歩かわからないけれど」
 先生は今もわかっていません、ですがそれでもこう答えました。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ