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二人の騎空士
The fate episode
二人目の騎空士
進行度 5/7
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方は絡め手を講じるほかはない。
 グランの槍を受け止めるではなく流すように下へと逸らす。私の槍のほうが先端が軽く扱いやすいのは、この場合良かったと思うべきか。……脛に痛みが走る。相手の間合いを計り損ねたか。一寸ばかり槍が長かったようだ。
 なればと相手が切り返すより早く此方は突く。否、切り返してはいない。突くと分かって予め逸らすように槍を構えていた。本当に、互いの手がわかっている。
 機会を逃さず、刺突を繰り返す。対する相手は私の突く位置を正確に読み一打、また一打と綺麗に逸らす。私が無理をしようとすれば、相手は待っていたとばかりに槍を離し懐へ飛び込んでくる。武人としては絶対に有り得ない動作。しかしながら、素手でも相手との間合いを殺す魔術を使えるのならば、起死回生の一手を賭けるのに十分な動作。常人であればグランの魔術によって死ぬであろう。しかし私はグランの反撃を更に読んで魔術を使う。
 ……どちらがどちらの行動を読んでいるのか分からなくなる。この動作全てが、嘗てやったことがあるのだから。
 魔術を込めた素手の殴り合いも数手で距離を取り、今度は落ちているククルの銃を互いに拾い同時に駆け出す。銃の加害距離はかなり遠長い。グランとの銃撃戦は練習できないので初めてだが、棒立ちで早撃ち、という勝負を好まないのはグランも一緒のようだ。
 近くの森に入り、木で姿を隠しながら蓮根式の弾倉を横に出す。弾は……三発か。相手が何発か分からないのが辛いが、やるしかない。
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