The fate episode
二人目の騎空士
進行度 5/7
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テラ。修験を重ね素手で万物を破壊すると謳われたガンダゴウザ。ある国の救国の騎士と崇められるジークフリート。
それだけではない。枚挙に暇がないほどの古強者共が倒れているのだ。しかもその全てにおいて驚愕すべきことが、その全員が骨折など重傷は負いつつも、まだ脈があるということだ。
殺さなくてもいい程に実力が離れていた、という事だ。
今立っているのはグランと私、そして数人。ククルやリリィを始めとする非戦闘員や女子供、戦意が折れてしまった者達だ。例外としてはアレーティアとアルルメイアか。
「此度の戦、私が挑んでも無意味さ」
私に見られていることに気づいたアルルメイアは肩をすくめた。アルルメイアは非常に優秀な戦闘員だ。しかしながら、彼女の特異とする未来予知で無意味と知っているならば、確かに挑みもしないだろう。
「貴方は?」
アレーティアに話しかける。アレーティアは齢を重ねているものの団内でも一二を争う実力を持つ剣士であり、彼を知る人間からは剣聖という二つ名さえ付けられている。
「歳を重ねると、戦わずとも色々分かるものじゃ。勝ち負けだけではなく、あの坊主の思いも、嬢ちゃんの思いもな。儂が挑むだけ時間の無駄というものよ」
そう言うとアレーティアは剣を鞘に収めた。
「後で退団でも何でもするといい。しかしな、儂は儂が戦うと決めた者としか戦わん」
そう言うとアレーティアは艇へを足を向けた。それにアルルメイアも連なる。
「私以外の全員を艇に収容して。全員の治療も。後、今後一切の攻撃を行わないように通達もしておいて」
二人の背中に言葉を投げれば、アルルメイアは神妙な面持ちで振り返った。
「どういうつもりだい?」
「私は全力を持ってして彼を殺す。下手は割り込みが来たらその人も殺しかねない。それに、彼の究極的な目的は私の殺害のはず。私が殺されたら彼の敵対心を煽るようなことはしないで。何としてでも生き延びるよう策を尽くして」
アルルメイアは暫く思案してから、分かったとだけ呟いてグランから比較的離れた負傷者たちの元へ向かった。
私は堂々と、同時にゆっくりとグランの元へ向かう。グランは自身へ襲いかかる団員を倒しきってから、ずっと立ち尽くしたままだった。
「どうだった、私の団員は」
声をかければグランは漸くといった具合に此方を見た。よく見ればいつの間にか傷は塞がっている。自身の魔術で直したのだろうか。
溜息が出かかる。この三分がどれ程の激闘だったかは筆舌に尽くし難い。グランが放った魔術の数も十や二十ではすまない。しかしまだ彼は重傷を治療できるだけの魔魔力を持ち得ているのだ。
「半分は一年前のお前よりも弱かったな」
「復讐は簡単そう?」
「簡単には終わらせない。何のために奴ら全員を生かしたと思っている。今からの殺し合いを見せるた
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