The fate episode
二人目の騎空士
進行度 4/7
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依頼した。団員ではないが依頼は忠実に遂行してくれるだろう」
「もういい。カタリナ、ソフィアとシルヴァを捜索する、ついて来て」
バザラガが何故その人間を信頼しているのかは不明だが、団員二名を預けられるほど私はその人物を信用していない。そもそも名前も知らない。
「分かった。増援に向かわせた人物の名前はなんだ」
カタリナの問いに、バザラガはなんでもないというふうに答えた。
「確か、グランと言った」
バザラガの言葉を右から左へ受け流す。いや、聞き取る余裕が単純になかった。
港の向こう、森の方面から人が来ているのが見えたからだ。一人はフィーエ、一人はシルヴァ、一人はソフィア。そして最後の一人は。
「グラン」
私が気づくと同時、彼も私に気がついたようだ。……それからは一瞬だった。グランはすぐ横に立つシルヴァの後ろに周り、足を掛け体勢を崩し首を絞める。体勢を崩された状態で気道と頸動脈を圧迫されたシルヴァは声を出すことも音をだすことも出来ない。そんなシルヴァに、グランは何か耳元で囁いた。
「フィーエ! ソフィア! 後ろ!」
私が叫べば漸く二人は後ろを振り返り、そこで初めてグランの凶行に気がついた。敵と判断した故に、フィーエもソフィエもグランから一歩距離を取る。その間に、シルヴァは気絶した。
「総員戦闘準備! 出来次第甲板に集合! 艇にいない団員へも通達急いで!」
私は声を張り上げ、グランサイファーから飛び降り桟橋に着地する。グランとの彼我は約百米。彼がその気になれば私が彼のもとへ向かう間にあの場にいる三人が殺されるだろう。
グランはソフィアとフィーエに一言二言言葉を発すると、構えも取らず堂々と二人に近寄った。対する二人は警戒したまま。
しかし、警戒したままソフィアは空中を舞っていた。彼女からしたら何が起きたかは分からないだろう。グランが使ったのは魔術だ。それは単純。しかしながらその詠唱速度も威力も何よりも詠唱しているということを悟らせない身振りが天才的に優れていたというだけだ。
私は全力でソフィアの元へ駆ける。ソフィアはおよそ百米を吹っ飛びながらグランサイファーの近くの地面に落下しようとしていた。
なんとか着地前に傍に近寄り、彼女を受け止める魔術を行使する。徐にソフィアを接地させれば、思ったよりはというよりは全く彼女に怪我がないことに驚いた。
「え、あの、え」
ふっとばされたせいで平衡感覚が狂っているのだろう、ソフィアは地面に尻もちをつくと状態がわからないのかただ困惑し続けていた。
「何を言われたの」
「手負いの女は人質だ。返してほしければ全員で俺を殺してみろと」
成る程、全員で挑んでほしいからソフィアを無傷で寄越したのか。
「ジータ!」
遠くから名前を呼ばれる。視線を移せば、空をフィーエが舞ってい
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