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二人の騎空士
The fate episode
一人目の騎空士
進行度 1/3
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 身を分つ君よ。今は何処にいるだろう。

 §

 小鳥の囀りで目を覚ました。腰掛けた大木の葉が風に揺られてさらさらと音を立てる。日の高さを見るに今は八時かそこらだろうか。私は立ち上がり、付近を見回す。昨日から変わりなく、辺りは時たま木が生えている草原しかなかった。
 装備を確認。剣よし。防具なし。食料なし。水なし。医療品なし。貴金属なし。現金なし。空腹、なれど五体満足。
 私は付近の木々を回って食べられる実を探し回る。それでなんとか栄養を補給すると、近くの村へと向かった。村へ着けば汚い身なりの私に村人達は眉を顰めるが、替えの衣類はなく金もない以上、どうしようもない事だった。付近に綺麗な水場でもあれば事は違っただろうが、生憎と綺麗な水は村の中の井戸にしかなく、私がそれを使うと村人達は文句を言ってくるので諦めるしかなかった。
 目的の家まで着くと、私は扉を二度叩く。
「はいはい、どなたでしょう」
 そう言って扉を開けたのは中年の女性だった。彼女は此方を認めてすぐに顔を顰める。それは身なりが汚いという以外にも理由があった。
「お金、そろそろ払っていただきたい」
「貴方いつまで来るのよ」
 その言い草に私は幾らか腹が立ち、扉の中へ無理やり押し入った。
「ちょっと、どういう了見よ!」
 口うるさい女性を無視し廊下を進む。進んだ先の部屋で優雅に寛いでいたのはこれまた中年の男性だった。更には彼と机を挟んで、異様な成りの男が居た。
「なんだい君は。お金なら待っ……払ったと言っただろう」
 男性の言葉を無視して、異様な成りの男を眺める。全身を黒い鎧で覆ってはいるのだが、胸部の一部と右腕一部は敢えて鎧を着けてはおらず、傍には刃渡りだけでも二米は優に超す巨大な鎌が置かれていた。
「彼が、件の男か」
 鎧の男がそう呟けば、中年の男は首を何度も縦に振る。
「そうだ! ある依頼を頼んだんだが、終わった後に法外な報酬を要求してきてな。分割で払おうにも要求額は増すばかり。だからあんたに頼んだんだ」
 鎧の男は立ち上がり此方を見やる。鎧を抜けば、背丈は凡そ二米十糎かそこらか。
「成る程。さて、そちらの男性からも話を聞きたい。少し着いてきてはくれないだろか」
 鎧の男はそう言うと、傍の鎌を携えて部屋を出て行く。狭い室内であれ程の大鎌をぶつけることなく移動させるところを見るに、相当に扱いになれているのだろう。
 私は黙って彼の後ろに続く。鎧の男は丁寧な言い草だが、意図は明白だ。依頼主に危害が及ばぬよう距離を開ける事が第一。そうして可能であれば穏便に事態を収束させるため、話し合いで済ませようとしている。
 玄関を抜け、家の前に出ればそこで若い女性が私達の事を待っていた。
「バザラガ、目標は彼?」
 鎧男、もといバザラガは女性の前で立ち止まり、此
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